月は宝の山
前回に引き続き月の話。月と言えばアポロ計画。1968年アポロ11号が月面着陸したのは有名な話。その後、1972年のアポロ17号を最後にアポロ計画は終了しました。そもそもアポロ計画というのは当時宇宙開発を競っていたソビエトに勝つために金に糸目をつけずにゴリ押しで人間を月に送ったという意味合いが強いです。結果、ソビエトに勝利して名実とも米国は宇宙の覇者となり莫大な資金を使う意味合いがなくなりアポロ計画は終了します。当時としては月は岩と砂しかない不毛の大地でした。なので、アポロ計画以降本格的な探査は行われず忘れられた存在と化します。・・・・・・・・・・・・・・ところが、最近になってやたら月探査が話題に上るような気がしませんか?その通りです。最近やたら月が注目されるようになっているのです。それには理由があります。アポロ計画以降、人間が月に行ってませんが研究は行われていて月は宝の山という事がわかったのです。あの空気もない岩と砂の世界のどこに宝があるのか?それは月の砂(レゴリス)に封じ込まれていました。月の砂にはヘリウム3が大量に含まれているのです。ヘリウム3は太陽から太陽風によって運ばれます。地球には大気があるのでヘリウム3は届きませんが、大気のない月にはヘリウム3が直接届き、それは砂に吸着されています。月には45億年分のヘリウム3が溜まっているのです。ヘリウム3は核融合炉の原料として期待されています。現在の原子力発電は核分裂という仕組みで発電しますが放射能汚染や廃棄物等多くの問題を抱えています。ところが核融合にはそれがありません。高温高圧を維持しないと核融合は起きないので万が一トラブルがあると勝手に停止します。汚染や廃棄物等の問題もありません。核融合発電が実現したらもはやエネルギー問題などなくなるほどの夢の技術なのです。ところが、地球にはヘリウム3はほとんどありません。技術があったとしても燃料がない。そこで月が注目されているのです。月の豊富なヘリウム3を地球に持ってくる事ができればもうエネルギー問題は解決するのです。さらに月の砂には酸素が含まれている事が判明しています。また、月には大量の水が存在する事も判明しています。水があれば酸素が作れる、燃料の水素も作れる。月の砂を溶かして加工すれば建材にもなる。将来的に月に基地が作られるようになれば月を起点に宇宙開発が急激に進む事になりそうです。(月は重力が地球の1/6しかないので、月からロケットを発射すると極めて少ない燃料と機材で宇宙に行ける)・・・・・・・・・・・・・・・・ってな感じで、SF映画の世界が今まさに実現しようとしているのです。世界中が月を目指している様はまるでゴールドラッシュのようです。ワタシの生きている間はちょっと間に合いそうにないですが次の世代は宇宙旅行は当たり前になってるかもしれませんね。ああ、やっぱり長生きして見てみたいものです。(;´∀`)