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嗄夜の徒然BL読書日記。

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2009年03月27日
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 上司と部下のリーマン本ですが、やりとりの初々しい感じが内容に反して良い感じ。火崎さんの本は語り口調な文章が大好きです。言い回しに特徴があってテンポ良く読み進めれます。

 火崎勇/著  麻生海/挿絵
『まだ愛に届かない』 ('05年 全1巻)
 文庫版 角川ルビー文庫/出版社・シリーズ


 正直『ロードライト』シリーズ(全3巻+外伝1巻)でこの作家さんを認識して、かつ大好きなので一押しにお勧めしたいのですが、今回の読みきり本の方が読みやすいかと思ってこちらを先に持って来ました。宝石好きのきっかけになった『ロードライト』シリーズはいずれまた。それにしても主人公が『強い男』(精神的にそうあろうと頑張る男)な話が光る作家さんなので、読んでいてポジティブになれる気がします。(苦笑)

 3年前。洋傘大手メーカーの入社2年目だった鷺沼和(さぎぬまかずい)は、取引先の社長子息の『身分を隠して入社を前提としたアルバイト』としての教育を部長から直々に命じられた。
 金と力にあかして威張りくさったどんなバカ坊ちゃんが来るのかと想像した鷺沼の前に、どこから見ても好青年な、自分よりも全然大きいのに子供みたいで可愛いなぁという第一印象の大学3年生だった千谷立志(ちやりゅうじ)は、直角よりも深く頭を下げる挨拶をする屈託なく笑う大型犬のような青年だった。
 素直で可愛くて仕方なかった初めての部下は、無事入社式を終えて再び鷺沼の下で働くために挨拶に来た。…が、千谷は一ヶ月逢わなかった間に社会人として身なりを整え『可愛くていい子な弟分』から『見惚れてしまうようなカッコイイ男』に変身し、まるで見知らぬ男のようであっと言う間に鷺沼を魅了してしまった。しかし相手は取引先の会社社長子息。いずれ結婚して家を担う立場の彼に自分から告白する事も出来ずに1年間片想いの相手だった千谷は、けれど3ヶ月前の酒の入った『あの夜』に全く違った関係になってしまった。

 物語は現在の27歳と24歳の2人の話で始まるのですが、介抱で入ったホテルのベッドの上で、酔いつぶれていた千谷からの酔いを勢いにした『好き』という告白をあえて流し、鷺沼の『身体だけならいいぞ』との表向きの妥協として身体だけの関係(あえてBまで)で答え、欲しいものを欲しいと言えない苦しみに自ら首を締めていく鷺沼の苦悩がもどかしいというか、『何とかならんのかっ』という焦れったさに悶えてしまいますね。千谷と同期の荒井の横槍も更に苛立ち度が増します。

 で…正直、最後まで『早く何とかしろよ~』ともどかしい思いで読んで行く事になってしまうのですが、追い詰められた鷺沼の決死の告白に対する千谷の反応に『ドキッ!!』と、心臓が痛い想いをしました…。ここは物語の山だけあって息が吐けません。個人的には鷺沼を『和』と初めて千谷が呼んだ所が好きです。その想いの深さを想像すると、千谷の無理に抑えていた想いが詰まってる感じで。私はこんな切ない系の話が大好きだ……。(苦笑)
 火崎さん、お勧めです。






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最終更新日  2010年03月18日 01時59分52秒
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