|
テーマ:ニュース(99789)
カテゴリ:science
人間を含む現代の哺乳類が鋭い聴覚を持っているのは、中耳内に微小な3個の骨、耳小骨があるおかげだそうです。哺乳類の祖先には耳小骨がありませんが、この変化がいつの時点で起きたかは不明のままでした。 この変化の段階を、現在の中国北東部にあたる地域に1億2500万年前に生息していた新発見の原始哺乳類の化石で確認したとする論文が発表されました。 今回の研究成果について、研究者らは古生物学分野における画期的な節目とみています。 爬虫類は顎を、物をかむためと、外の音を振動を通して脳に伝えるための両方に使っています。哺乳類の聴覚系はこれに比べてより精巧で複雑で、ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨の3個の骨が関与して人間の音楽鑑賞からイルカのエコーロケーション(反響定位)までのあらゆる音を処理しています。 聴覚系と咀嚼系の「分離」によって、それぞれの系が互いに対して課していた身体的制約が取り除かれた結果、哺乳類は食性の多様化と聴覚の向上の両方を実現できたと、科学者らは仮説を立てています。 今回の研究は白亜紀初期に生息していた原始哺乳類6個体の化石に基づいているそうです。中国主導の研究チームが「Origolestes lii」と命名したこの動物は恐竜と共存し、大きさと外見が齧歯動物に近かったそうです。 研究チームは今回、高解像度CTスキャンや他の画像化技術を利用して保存状態の良い化石標本を調査し、聴覚に関与する骨と軟骨の構造などを含む細部の特徴を明らかにすることに成功しました。その結果、より初期の種では骨と骨の接触がみられないことが分かったそうです。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.12.10 08:00:15
コメント(0) | コメントを書く
[science] カテゴリの最新記事
|