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日記はこれから書かれるところです。

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2007.01.23
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制度というのは文化的社会的必要に応じるもので、例えば、「一夫多妻」は、格差社会であったり、好戦社会であったりすれば認められるというか、むしろ奨励されたりする。

好戦社会というのはもちろんジハードをちょっと皮肉っていっている。それはまあいいだろう。

問題にしたいのは、格差社会の方だ。格差社会においては(なぜか、男女の役割分担も強調されるように思うのだが)、経済的社会的地位の高い人間が実質的に「一夫多妻」制を敷いているように思う。「内縁」なんてのがそうだ。「お二号さん」なんかも(しかし、格差社会を推し進めるのが常に「保守政治家」であるのは面白いことだ)。

つまり、格差社会においては、色恋沙汰は、経済に従属する。結局、心は金に負ける。

というわけで、もう終焉を迎えつつあるイデオロギーなのかもしれないが(バーリン流に言えば「後期資本主義文明の一時的な産物にすぎないとしても」)、「一夫一婦」制を支える条件は何なのか、考えてみる。


■浮気を許さないという心性

「どこからが浮気?」なんて質問が語られたのどかな時代があったが、「浮気」は何が問題なのだろう?

思うに、誰も「浮気」を恐れているわけじゃないのではないか。本当のところ「浮気」が「本気」になるのを恐れているのではないか。こういう問いかけはどうだろうか?

逆に言えば、あくまでも「浮気」だという確証が得られるなら、「本気」は自分に向いているという確証が得られるなら、それほど恐くないと思ったりできないだろうか?

実際のところ、その「確証」が得られることは少ないわけで、こういう想定はなかなか難しいのかもしれない。


■多夫多妻

イデオロギーにナイーヴな層は、「もし好きな人が他に10人と付き合ってたら嫌でしょ」などという。しかし、この議論には嘘がある。この議論は、こちらはその一人しか好きでいちゃいけないということを暗黙のうちに前提している。

しかし、好きな人が他に10人と付き合うのと同様に、こちらも好きな10人と付き合えるとしたらどうだろうか?

そういう関係を構築できる「2人」だったらどうだろうか?


■一人しか愛せない

「一夫一婦」制の根拠に「一人しか愛せないのが普通」ということをいう議論がありそうだ。

俺にいわせれば、「一人しか愛せない」から「一夫一婦」制なのではなく、社会的状況が要請するからこそ「一人しか愛せない」と思い込まされているのだし、「一夫一婦」制に行き着くのだと思われる。

「一人しか愛せない」なんてのが本当だとしたら大変だ。その人は、今まで一人しか愛したことがないのだろうか? 愛する人が亡くなったら、次の人を愛することはできないのだろうか?

それが違うことくらい皆知っている。

ロマンティックな「一夫一婦」を想念する彼らには残念なことだが、人は多くを愛せる。


■なぜ、愛か

愛って何か。

よく、「無償の愛」なんて言葉を聴く。「見返りを求めない愛」なんてのも。しかし、本当にそんなものがあるのか?

人間というのは、愛に対して見返る性質を持つ(これはある種普遍的)。

だから、はっきりいって想定が大変難しいのだが、もしいろんな条件が整い、全く見返りの可能性が無いとわかったものを人は愛せるのか?

愛は、究極的には、見返りを求めるものではないのか?

この議論は面倒臭いので、違うときに回す。


■自分の愛を満たすための戦略

今回は、「見返りを求める愛」に限って進めよう(これが全部じゃないにしても、こういう愛があることは認めてもらえるのじゃないかと期待する。もちろん、俺はこれが全部だと思っているが)。

ひとは愛してくれるひとを愛する。

この想定に乗っかれば、愛は究極のところ自己愛ということになろう。

自己愛を充足するために合理的な行動を採ろうとするのが愛の行動様式であるとするならば、それにはいくつかの戦略がある。

自分の愛を満たすために「ひとりと固定関係を保つ」。自分の愛を満たすために「たくさんと固定関係を保つ」。自分の愛を満たすために「たくさんと社交的関係を持つ」。


■心と金

ところで、「金色夜叉」である。「心より金」である。

しかし、これも、本当は自己愛と考えれば、格差社会では当然の振る舞いといえまいか。

愛が自己愛であれば、心は金に負ける可能性が十分に生まれる(これを「明治の《文革》」の結果と捉える視点は大変興味深い)。

そしてこれは倫理上の問題としてではなく、政治・経済・社会の問題だと言って良いのではなかろうか。

俺が一番言いたいことに軽く踏み込めば、安倍が言うところの「教育」の問題は、「教育=倫理」の問題などではなく、「格差社会」に必然的に内在する「immoral」の問題ではないのか、ということだ。だとすれば、安倍は自らが問題視する「状況」を自ら思いっきり推し進めていることになるまいか。


■後期資本主義社会

さて、考察対象は格差社会ではなく後期資本主義社会だった。

そこにおいて、恋愛の戦略は先に見たとおりだ。そして、これは企業の提携関係に非常に似ていまいか。

もし、ひとが他者からの愛を欲するなら、その愛をどのように調達するか。

企業は、取引先を必要とする。それなら、その相手をどのように確保するのか。

古典的経済学は、自由な競争の中で、相手がとっかえひっかえできるという想定に立っている。「たくさんと社交的関係を持つ」ということを前提にしている。

しかし、そんな会社どこにある?

普通、安定した関係を築こうとしないか。立ち上げたばかりの中小企業なら、大手と独占契約を結びたくなるのは当然じゃないか。ふつう「ひとりと固定関係を保つ」ことを求めないか。

結局、「愛」も、他者からの愛を必要とする人間が、最も合理的に持続的供給を得られる方法を探している結果ではないのか。

それが後期資本主義社会における「一夫一婦」なのではないか。

談合なんてのもあるが。


■ネオリベラルと「一夫多妻」

下請け企業というのがある。これは、不況時には切って捨てられる。「一夫多妻」制。トヨタなんかまるでその「夫」である。

不況期には、「一夫多妻」が多くなる。自己愛が基本なら、従属関係が出てきてしまうのだから。

こうして考えれば、「一夫一婦」は、もしかすると、社会の安定があってはじめて成立する制度なのかもしれない。

現状は、ネオリベラルな風潮が進み、「一夫多妻」もいいところだ。

そうして考えると「一夫一婦」制は、安定社会の理念を映し出したものと言えるのかもしれない。

格差を推し進めようとする人間が「愛人関係」においては、非常に「immoral」である気がするのは偶然じゃなさそうだ。


■やはり「一夫一婦」制

というわけで、「一夫一婦」制の存在根拠をラディカルに検討しながらも、俺はやっぱり「一夫一婦」を求めることに落ち着きそうだ。

だが最後に検討しないといけないことがある。「たくさんと固定的関係を保つ」戦略が残されている。

企業社会をつぶさに見れば、もしかすると「たくさんと固定的関係を保つ」戦略を採っていると見ることができるかもしれない。

そして、俺はこの関係を否定する気はない。これができるなら、「愛」においても良いのではないかと考える。

だが、恐らくこの戦略には決定的な弱点がある。それは、「関係」というものを「固定的」に保とうとすれば、常にアップデートしないとならないということである。「たくさんと社交的関係を新規につくり続ける」ほど大変じゃないにしても、「関係を保ち続ける」にはコストがかかる。

そうした場合、やはり、資源を集中投下する必要がでてくる。

たくさんの人員を抱える企業ならまだしも、「この身一つ」の個人は、自己愛を支えるのに、「一人と固定的関係を保つ」のが最も合理的なのだろう。


■結論ふたつ

そういうわけで、俺はふたつの結論を持つ。

ひとつは、経済学はマンキュー的に理解するのが正しいのじゃないかということ。

もうひとつは、「一夫一婦」制を求めるのが、後期資本主義文明における「平等」や「安定」に支えられている思想だということ。

そのうえで、俺はやはり、この「一夫一婦」を支持することになるわけだ。

(俺はいつも結論を持たずに書き出して、書きながら考えるのだが、妻に言い訳の立つ結論になったことを今一番喜んでいる。)





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Last updated  2007.01.24 05:16:42
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