薬の知識 その1
どこまで、薬の知識が必要でしょうか。薬の名前と対象疾患はでてくるごとに覚えるようにしていますが、活用する機会は多くはない面と、うまく活用できていない面があります。病名や既往歴で現在の状態がある程度わかりますが、投薬内容を確認することで、疾患や現在の治療内容の理解につながります。また、リハビリをする上でのリスク管理も必要となってきます。いくつか、薬の情報を使用している例をあげます。カルテに記載されている薬の確認だけはなく、状況によっては看護師や医師に確認する場合もあります。脳梗塞で、入院当初は降圧剤を使用しなければ、血圧は高いまま経過する可能性がある。高いことを理解して、慎重にリハビリを進める。独歩可能でも、場合によっては、車椅子での出室やベッドサイドでのリハも考える。降圧剤が開始されても、血圧が下がらず、リハビリに支障をきたしていれば、看護師やドクターに相談することもある。糖尿病に対する薬が処方されていれば、高血糖や逆に薬の効果による低血糖になる可能性があり、注意が必要。血糖値を定期的に測定していれば、リハビリの時間も考慮が必要。 リハビリ中に、傾眠傾向や、ぼんやりしている患者が、睡眠薬や精神安定薬を内服しているか確認する。日中に傾眠傾向が強ければ、投薬時間の変更ができないか相談する。また、入院時に不穏などあり精神安定薬を開始されていたが、落ち着きをとりもどし、そろそろ必要がないと考えられたら、看護師やドクターに相談する。 利尿剤や下剤が投与されていれば、頻回にトイレに行かれることもある。強めの下剤であれば、リハビリの時間を考慮する場合もある。 「既往に心疾患あり」、「点滴にヘパリンが投与されている」で、疾患と投薬がつながり、疾患の理解につながる。グリセオールが使用されていたら、脳が腫れてきていることがわかる。