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話飲徒然草(S's Wine)

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2013年11月06日
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カテゴリ:ワインコラム
一方、普及品のコルクで立てておいた場合はそうはいかなそうです。
この場合、瓶内に流入してくる酸素と結合するのに必要な遊離亜硫酸量は
1×36=36+1.7=37.7ミリグラム×4=150.8ミリグラム
となり、添加した亜硫酸の量を超えてしまいます。

というか、逆算すると、
(20-1.7*4)/4=3.3
となり、わずか3ヶ月かそこらで瓶詰め時のSO2を使い切ってしまうことになります。

まあいずれにしても、安いコルクを使用した普及クラスのワインの場合は、早めに消費するべきということなのかもしれませんし、こういうことがあるから、
SO2の添加量を多めにする→頭痛や二日酔いになる人が出てくる、
ということなのかも。

もっとも安いワインの場合でも、スクリューキャップを使うと話は全然違ってくるわけで、その場合、今度はSO2が全然逃げないことによる、還元のリスクが高まるということではないでしょうか。


ところで計算していて思ったのですが、天然コルクの酸素流入量は、データ上でもあまりに幅がありすぎて、数値の置き方次第でいろいろ解釈できてしまいそうです。

たとえば、前々項では、良質コルクでボトルが乾いている場合の想定を0.1ミリグラムとしましたが、これが0.2ミリグラムだとすると、

(20-1.7*4)/4=3.3
3.3/0.2=16.5ヶ月となり、1年と数ヶ月で瓶内のSO2を消費することになります。
どこかで「瓶詰め時に添加されたSO2は1年後には5分の1程度になってしまう。」という記述を読んだことがありますが、コルクの酸素透過量が上記のような数字だとまさにそういうことになるわけですね。

一方で、「戦前とか50年代のようなオールドビンテージのワインが長持ちするのはワイン作りが今と異なっていたからではなく、SO2の添加量が多かったからではないか。」という説があります。これについて計算してみましょう。

SO2の添加量を10倍の200ミリグラムと想定します。
現在のEUの規制は、1リットル当たり、辛口赤ワインなら160mg、甘口白ワインは300mg、貴腐ワインは400mgとのことなので、あながちありえない数字ではないですよね。

このうち遊離亜硫酸となって酸化抑制にあてられる分を約2/3とすると、
200×2/3=約133
(133-1.7*4)/4=31.55
長期熟成を前提としてれば、当然コルクは上質のものを使っているでしょうし、ボトルも横にしているでしょう。ただし、経年変化によりコルクの性能は低下するでしょうから、ここでは酸素流入量を、良質&横向きにしては多めの0.1ミリグラム/月として計算してみます。

31.55/0.1=315.5ヶ月=26.29年 もSO2が酸素をブロックし続ける計算になります。

とはいえ、26年となるとそろそろリコルクを考えなければならなくなっている時期なので、その前にコルクの性能はもっと低下しており、酸素の流入とSO2の消費ペースは上がっているはずですね。
すみません、酔っ払って書いているので、計算がいい加減かもしれません。
さらにつづきます。

<追記>
ところで、SO2のことを考え出すと、いくつか合点のいくことがあります。
自分の子どものヴィンテージの02年03年のワインをリリース時にいろいろ買い込んだことは折に触れて書いてきました。
実は02年のブルのリリースは前年よりやや遅れて、真夏にもろにかかってしまったものがかなりあったのです。それで(たとえリーファーを使用していたとはいえ)港湾や陸路での輸送などにおける熱の影響が若干心配でした。
しかし、最近になって開けている02年のブルたちはどれも綺麗に熟成していて、特に激しく劣化しているようなものには当たっていません。
先だってロマネさんとワイン会でご一緒したとき、ロマネさんも「自分でリリース直後に買って保存しておいたものはえてして綺麗に熟成している」と仰ってましたが、私も同感です。

一方でバックビンテージの並行ものなどを購入してみると、結構状態面で「?」をつけたくものがあるのは今も変りません。これなどは、リリースしてから入手するまでの間にあまり好ましくない流通環境におかれたことによるのではないかと漠然と思っていました。

しかし、上記のような計算に照らして考えてみれば、「残存SO2量」のファクターも大きいのでは、という気がします。
リリース直後はまだSO2がボトル内に結構残っているから、輸入時や配送時に酸化のリスクにさらされてもワインは持ちこたえられる。
一方でバックビンテージになれば、SO2は使い果たされてしまっているケースが多いでしょうから、同じような扱いで仕入れてもイカれてしまうこともあるかもしれない。

まあ、だったらそもそもSO2無添加の自然派ワインなどはどうなんだと言われそうですし、それに対する明確な答えはまだ持ち合わせていないのですが…。







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Last updated  2013年11月20日 23時15分19秒
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