死を招く仕事? ビジネスパーソンに迫る心の病
投票しましたか。私は涼しいうちに投票を済ませました。 大企業を中心に業績が向上しているというものの、1.リストラにより、資産を売却したり、工場、拠点を廃止し、2.社員を減らし、3.下請けに大幅なコストダウンを強いたこの3つを徹底したところがよくなっているように感じます。自殺する前のSOSに何とか気がついて、少しお節介しましょう。**********************************************************************国内経済は少しずつ回復の兆しを見せているが、働く側にはなかなかその恩恵が反映していないといわれる。人員削減や配置転換の大胆な実行によっていくつかの企業はよみがえったが、そのしわ寄せが一部の人に集中して、休暇も取れずに働きつづけている人も少なくない。一方で、成果主義的な人事制度がさまざまな職場で適用される中、上司や周りとの人間関係が悪化して悩む人も多いようだ。 ▼「30代専門職」に自殺の危機? 先日、独立行政法人労働者健康福祉機構は、全国21の労災病院で実施した「勤労者 心の電話相談」への昨年4月から今年3月までの1年間の相談件数や相談内容をとりまとめ、発表した。寄せられた相談件数のうち、勤労者およびその関係者からの相談件数は1年間で12,920件に達し、これは前年度と比較して56%も多い数字だという。 相談の内容については、上司との人間関係が1,211件、その他の人間関係1,154件と続き、人間関係についての悩みが目立つ。 また精神的・肉体的な症状としては、将来に対する不安(リストラに対する不安を含む)、落ち着けない、イライラ・不安定のほか、不眠を訴える人も多く、自殺願望があるという相談も414件にのぼった。 願望だけにとどまっているならばまだしも、自殺を実行する人も後をたたない。昨年度、「精神障害等」による労災請求・認定件数は「精神障害等」の判断指針が策定された平成11年以降最多の438件(請求)108件(認定)にのぼり、そのうち自殺(未遂を含む)は請求121件、認定40件であった。「精神障害等」による労災認定者は「脳・心臓疾患」に比べてシステムエンジニア、情報処理技術者、設計士などの「専門技術職」の割合が高いのが特徴であり、年齢的には「脳・心臓疾患」の認定者より一回り若い「30~39歳」「29歳以下」に集中している。 ▼残業が月100時間を超えたら要注意 自殺に至るような重い精神障害の場合は、「人間関係の悪化」だけがその引き金になるわけではないようだ。厚生労働省の研究班が行った調査では、仕事のストレスによるうつ病などの精神障害で自殺した人の半数が月に100時間以上の残業をしていたという。よく、欧米のエリートビジネスマンの長時間労働が話題となるが、成功している人は長時間労働しつつも、必ず気持ちを切り替えるためのプライベートタイムや休暇を持っているものだ。そのような時間が全く取れない場合、あなたは「よく働く人」ではなく「仕事に囚われた人」になってしまう。 会社という組織の中で仕事をする以上、周りの人との関係がある程度良好でなければ長期的な成功は見込めないし、睡眠を削って仕事に没頭しなければならない状況が長期間続けば、いつか必ず心か身体のどちらかに影響が出る。人間関係を良好に保つ努力、仕事量を適正にセーブする努力が報われないようであれば、早めに環境を変えたほうがいいだろう。人間、死ぬために働いているわけではないのだ。 (出典:毎日新聞)