217560 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

町のホルモン屋さん 山田ホルモンの若旦那

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

山田ホルモンの若旦那

山田ホルモンの若旦那

カテゴリ

お気に入りブログ

藤屋マネジメント研… 藤屋伸二さん
"ピカピカ 車検"マイ… 修理屋マイスターさん
『あかいふうせん』… あかいふうせんさん

フリーページ

2005年04月11日
XML
カテゴリ:若旦那の日記
海上は大時化(おおしけ)である。博多港から8時半のビートルに乗り込んだはいいが、右に左にグラグラ揺れる。水しぶきが上がる度に歓声が上がっていたが、30分も立つと飽きてきたのか、あるいは酔ってきたのかみんなだんまりとしている。

私達はというと、喧嘩したカップルのように一言もしゃべらずお互い別の方向に向いている。滅多に酔わない私も、(帰りはお金がかかっても飛行機に乗って帰ろうか。)などと考えていた。船内の添乗員が両手にビニール袋を持ち出した。もどすお客様が増えてきた。後ろの座席からは、老人がもどす声と音が聞こえる。

結局3時間の長旅の末釜山港に着いた。船が港に着いた途端、「帰りは飛行機で帰ろうと思ったよ!」と若女将。やっぱり同じ事を考えていたのだ。何はともあれ無事釜山港に着いた。今回の旅の目的は私のルーツ探しである。2泊3日と短い旅になるが、私の祖父が暮らした『故郷』にも訪ねてみたいと思っている。

ツアーで着たので、最初にちょっとした観光をしなければならない。国際市場、南甫洞(ナンポドン)、チャガルチ市場、竜頭山公園を一通り見終わるとコモドホテルにチェックインした。安いツアーだが、なかなかいいホテルである。船酔いで少し頭痛がするがせっかくの旅がもったいないのでタクシーに飛び乗った。『南甫洞に行ってください。』

タクシーの初乗りは日本円で150円くらい。南甫洞まではワンメーターで行く。昼ごはんをどこで食べようかと路地を歩いていると、鶏の美味しそうな店があるので入ってみた。もちろん観光客はだれもいない。350円の定食を頼むと鶏の炒めにご飯と汁とキムチと野菜が出てきた。350円と侮ってはいけない。ここでは定食や一品料理を頼むと必ずキムチと汁と野菜が出てくるのである。二人合わせて700円の昼食は値段が値段だけに大満足である。

地下鉄に乗り込み、若者で賑わうと言われる西面(ソミョン)に行ってみた。地下鉄の二つの路線が重なり合う場所なので自然に人の乗り降りが多い。本屋に行くと日本でもお馴染みの『ダビンチコード』や村上春樹の『海辺のカフカ』、水谷修の『夜間学校』、片山恭一の『世界の中心で愛を叫ぶ』等が並んでいた。日本では韓流と騒がれているが、韓国でも日本の作品が多く読まれているのだ。

町を歩いていると屋台がたくさん出ている。フライドポテトのような芋を揚げたものや、おでん、海賊版であろうCDやビデオ。その中に占いの屋台が多く並んでいた。話のネタにでもと、占い小屋に入ってみた。今さら若女将との相性を占っても仕方が無いので、私の今後の仕事について占ってもらうことにした。

一回500円なのに、観光客で日本人と思ったのか、1回1000円と吹っかけてきた。韓国の市場で言い値で買うと大概損である。観光客、特に日本人はいいカモにされているのだ。私は、「そこに500円と書いてあるだろう。」と韓国語で言うと悪びれもせずに、「わかった。500円で手を打とう!」である。ここではこれが当たり前なのである。言葉が分からないのが罪なのである。

占い師の名前は『孔明』である。いかにも怪しそうな名前である。四柱推命を見てもらって、タロット占いをしてもらった。その人曰く、私はお金に欲があるそうだ。また生涯お金に困ることはないであろう。左肩がストレスの為痛くなる。来年に大きなお金を動かすであろう。といった具合である。お金に欲がある。というとガメツイみたいでいい気がしないが、商売人にお金に欲が無ければやっていけない。良いようにとろう。

若女将は孤独を愛する癖があるそうだ。ストレスが溜まるので音楽を聴くと良い。二人の相性は良く、今後別れる事もないそうだ。怪しいが良いように言われると悪い気はしない。私は悪い占いは信じず、良い占いはとことん信じるタイプである。来年大きなお金を動かすという事は、大きな変革の時期かもしれない。

地下鉄でチャガルチ駅に戻ると南甫洞で夕食をとる事にした。若女将のリクエストで鉄板で焼肉を食べる事にした。ある店に入ると鉄板を斜めに乗せて、油を落としながら食べる珍しいスタイルの焼肉屋である。韓国では二人で食事に行くと、文字通り2人前を頼まなければならない。欲張ってあれもこれも頼むと、食べきれない程出てくるのだ。

私は見慣れないメニューを指差しながら、店員さんに「これは牛?」と尋ねた。牛だよ、と言うので私が注文すると、若女将がいやな顔をしている。何故か分からないまま、トイレに行って戻ってくると、鉄板ではなく鍋が置かれていた。「何これ?」と私が聞くと、若女将は、「しゃぶしゃぶよ!!」と怒鳴るように言った。

見慣れないメニューとは韓国ではめずらしい「しゃぶしゃぶ」であった。『せっかく鉄板焼を食べようと入ったのに…』とぶつぶつ言うが、返す言葉は無い。『これ、意外と美味しいかもよ…』と私が言っても沈鬱な雰囲気である。後ろの客席からは、『あれ、何だよ!』、『日本人が食べるものよ!』などとこそこそ話している。

しかしこれが意外と旨かった。味ご飯が少量のったサンチュが出てくる。肉を鍋にくぐらせた後、サンチュに肉をのっけてタレを付けて食べる。私たちがあまり美味しそうに食べているので、さっきあんなに馬鹿にしていた後ろの客も、『あれと同じのをください。』と注文していた。

その後『緑茶冷麺』なるものを頂きホテルに帰った。明日は祖父の『故郷』を訪問する予定である。たっぷり寝なければ…





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年04月16日 00時01分10秒
[若旦那の日記] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.