文楽の「蝶々夫人」を観る
青東風(あおこち)や千日前に文楽座
新緑にピンカートンも操られ
また今年のお正月にFB友だちの越智律子さんから下記のような文楽関連の俳句をいただいたことがあります。
息が合い阿古屋初春凛と立ち
文楽といえば、内川雅人くんがまだ9歳(小学3年生)の小学生だった頃 、母親が勤務する学校の先生たちの観劇会に一緒に参加して文楽の「蝶々夫人」を観たことがあります。
この文楽の演目はプッチーニのオペラ「蝶々夫人」を文楽化したもので、かしらが西洋人の顔をした赤毛のピンカートン人形が出て来るというものでした。そのことが当時の文楽が伝統に甘えて沈滞化していた状況を打ち破ろうとする大胆な試みとして大変話題になりました。雅人くんも新聞の演劇欄で映画批評等をよく読んでいたこともあり、その前評判をよく知っておりました(チョット変な子ども)。
雅人くんはこの文楽の観劇後にどのような印象を残したのでしょうか。西洋人の顔をした赤毛のピンカートンが出てくるのをずっと期待して待っていたこともあり、いまもその文楽人形が登場した舞台の様子が鮮明に記憶されています。しかし本来は西洋オペラの演目を、文楽人形が義太夫の節に合わせて操られ演じるという文楽化が成功していたかどうかについては当時の雅人くんには判断し難いものがありました。
ところで、観劇会に参加した先生たちが後で雅人くんの母親に「お宅のお子さんはずっとおとなしく観ていましたね」と感心されてましたが、雅人くんの唯一の取り柄(弱点でもありますね)はとにかく非常におとなしいことでした。