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カテゴリ:詩とやまと歌と
1月16日は、伊藤整の誕生日にあたります。
伊藤整と言えば、私たち年配者が思い出すのは「チャタレイ夫人の恋人」です。 伊藤整は翻訳した「チャタレイ夫人の恋人」がわいせつ文書にあたるとして摘発を受け、本の発行人と共に伊藤氏も起訴され有罪判決を受けました。 文学裁判を問題提起するノンフィクション『裁判』は代表作の一つになりました。 伊藤氏は、叙情派の詩人として出発しました。『雪明かりの路』は、最も初期の、北海道の自然と響き合う情感を、うたった詩を中核に収められた詩集です。 傍…ボウ、かたわ(ら) 脇…わき まなかひの朝熊が岳に雪ふらばわが雪国を我恋ひ行かむ 北見怐吉 北見怐吉は小樽中時代の二級上の先輩、鈴木重道。伊藤氏は『藤村歌集』を借りて愛読したそうです。この北見の歌に寄せた詩が「故郷に目ざめる」 昔子守歌のように聞いた霰の音。 昔と同じように母は台所で朝の支度をしています。 小さな弟らはストオブの傍で半年は雪の中という故郷です。 日向ぼつこするまつ毛の先に詩「春を待つ」から。 小春日和の日でしょうか。本当に春になるまでにはまだほど遠いのですが、睫毛の先、ほんのささやかな夢が心を温かくしてくれます。この一連のフレーズがとても好きです。 引用および参照元:伊藤整『詩集 雪明かりの路』日本図書センター お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 16, 2020 12:00:22 AM
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