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テーマ:読書の愉しみ(965)
カテゴリ:常用漢字
捻…ネン
壬生寺 眉村卓はショートショートでデビューしたSF作家です。TVドラマになった「謎の転校生」も面白かったですが、「名残の雪」は、ドラマになった「幕末未来人」の原作です。 守衛の伊藤さんが亡くなった。 三十七,八歳のがっしりした守衛の伊藤さんは、僕と同期で入ったことから、言葉を交わし、本を貸してあげるような仲でした。編集長に殴り込みに来た男たちに立ちはだかって、殉職したのです。 ぼくは、伊藤さんの持ち物を届けたついでに、未亡人から伊藤さんの手記を見せられます。日記?創作? 伊藤さんは、友人と二人、江戸時代に飛ばされ、新撰組に出会ったという記述をしていました。 単純なタイムトラベル譚ではなく一捻りきいた話になっています。 僕と伊藤さんの日本に対する思いの違いも面白いと思いました。生きてきた世界の違いでしょう。 雪は後から降ってくる…三月に降る名残の雪にしては、ひどく賑やかな感じだった。1月に逝去された眉村氏のご冥福をお祈りいたします。氏の残された心は、私たちに名残の雪のように積もります。 引用および参照元:日本SF作家クラブ・編『日本SF短編50 Ⅱ』早川書房 から 眉村卓『名残の雪』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 29, 2020 12:00:16 AM
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