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テーマ:映画・今日の1本(45)
カテゴリ:映画
「佐賀のがばいばちゃん」のあとに観たこの映画。 まるで対極をなすような痛い話です。 「Lilja-4ever((リリア フォーエバー)」 海外ではかなり話題になった作品なのですね。 旧ソ連のとある貧しい町。 今よりももっといい生活がしたいと夢見る 16歳のリリアは、母と母の新しい恋人と一緒に アメリカへ移住することを楽しみにしていた。 ところが彼女の意に反して 母親は恋人と二人だけで旅立ってしまった。 母がいなくなったその日に、 「いったい誰が家賃を払うんだい?」と リリアは叔母に小汚いアパートへの引っ越しを強要される。 母親からは手紙も生活費の仕送りもなく、 こともあろうか「親権放棄」という知らせが届く。 リリアは母親に棄てられたのだ。 面倒を見てくれる大人も、お金もなく、 親友だと思っていた友人にも裏切られ、 彼女の生活は悲惨を極めていく。 そんな彼女の唯一の友達は11歳のボロージャ。 アル中の父親に見捨てられたボロージャは、 リリアのもとに身を寄せ、 二人はお互いを支え合って、 つらい現実を乗り越えようとする。 ナイトクラブで知り合う男たちに身を任せることで 生活費を稼いでいたリリアは、 ある日、ハンサムな青年アンドレイに出会う。 彼はリリアに優しく接し、 けっして彼女を性の対象として見ることがなかった。 スウェーデンに住んでいるというアンドレイは 「こんな生活から君を救いたいんだ」と言って、 スウェーデンで一緒に暮らそうとリリアに持ちかける。 「アンドレイはリリアとやることが目的なんだ。 だまされちゃいけない、リリア」 ボロージャはそうリリアに忠告するのだが、 リリアはヤキモチだと言って取り合わない。 ただボロージャを一人置いていくことはできないので、 アンドレイに友達を一緒に連れて行ってもらえないかと 尋ねるのだが、返事はいつもあいまいなままだった。 ついにスウェーデンに行く日が来た。 自分を裏切った友人に携帯で電話をかけ、 「私は恋人とよその国で幸せになる。」 と勝ち誇ったように告げるリリア。 しかしスウェーデンで彼女を待っていたのは、 今までよりも苛酷で絶望的な日々だった…… ということで、この少女がどうなるのか、 おそらく最後の画像から みなさんが想像できる通りの展開が待っています。 この映画を果たして最後まで見届けられるのか、 自分でも疑問だった。 でも目を離せなかった。 悲惨で絶望的で救いのないリリアの姿から 目を離せなかった。 これは見なくてはいけない世の中の現実だから。 おそらくリリアと同じ悲劇は 世界のどこかで間違いなく起こっている。 大人たちに翻弄され、ボロボロになっていくリリア。 それでも生きていればいつかは、と 儚い希望をもってがんばろうとするけれど、 彼女の現実はあまりに苛酷だ。 とにかく映画に出てくる大人たちがみんな、 あまりにリリアやボロージャを「人間」として 気にかけようとしないことに信じられない想いがした。 しかもこれ、実話に基づいているんだって。 それでもそんな絶望極まりないリリアに、 清々しいほどの強さが感じられて、 それが観るものを引きつけてしまうのね。 それは演じている女優さんのおかげともいえるんだけど。 映画の中でどこへ引っ越しても リリアがいつも壁にかけていた守護天使の絵。 リリアも自分の手を引いてくれる 天使を探していたんじゃないかと思う。 大人がみんな、がばいばあちゃんみたいに、 優しくて強い守護の天使になれたらいいのにね。 とても痛々しいけれど、 機会があればぜひ観ていただきたい映画です。 この映画の中で描かれている多くの問題については 以下の関連リンクに詳しいのでそちらを見てね。 ★★"Finns det hopp i helvet?" [地獄に希望はあるのか?] (Lukas Moodysson:本作監督) (LILJA 4-EVER ASSOCIATED SITE ) ★★LUKAS MOODYSSON (LILJA 4-EVER ASSOCIATED SITE ) それにしてもあまりに両極端な作品を 見てしまったものです。(^_^;) <その他の関連リンク> ★★Lilja 4-ever ★★Lilja 4-ever (Cinefil Imagica) ★★Lilja 4-ever (Wikipedia 英語) ★★リリア4-everのレビュー ★★レビューその1 マフスのはてな ★★レビューその2 マフスのはてな お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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