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刀剣趣味者、いわゆる愛刀家と呼ばれる方々は、過去現在を通して、刀剣の趣味、鑑賞の対象が刀身を重視し、此れに偏重している感があり、拵えを余りにも軽視している様に感じています。
![]() 刀剣が武器という実用を離れ、美術工芸品として鑑賞の対象になっている現在に於いては、此の刀剣の外装である【拵え】の美を、改めて認識する必要があるのではないでしょうか。 愛刀家の、余りにも刀身重視の偏重思想に、刀剣を商う商人達により、時代の拵えが利益追求の為、追剥の様にバラバラにされ、売買されている事に残念な気持ちで一杯です。 刀身は勿論見所は沢山ありますが、言い換えれば単なる鉄、鋼の工芸品です。 其れに引き換え、刀剣の外装【拵え】は、鍔、縁頭、目貫等、彫金、彫刻、象嵌等の金工工芸、柄糸、下げ緒の組紐、柄巻きの工芸、更に刻み鞘等鞘の工芸、漆塗りの工芸等、ありとあらゆる分野の工芸職人の総合芸術品と言っても過言ではないと思います。 従がって日本刀の美とは、刀身と外装が揃って初めて、世界に冠たる日本刀の工芸品としての美しさが完備される物と認識しています。 ![]() ![]() 最近では、現代刀お守り刀展等では、拵えも一緒に作成され展示されるようになり、私としても喜ばしい状況だと思っています。 只、現代の拵えと時代の拵えとは製作目的が全く違いますから、刀身と一緒に伝来した拵えは、出来るだけ手を加えず伝世させるべきと考えています。 そう言いつつ私も、所蔵刀の拵えの鍔交換等は何振りか行なっていますが、本来なら鍔の交換もしない方が良いのかも知れません。 製作当時の拵えは、使うために吟味して制作された物でしょうから、是れを変えると云うことは、当時の所持者の意図が変ってしまうと云うことに成りかねません。 但し、柄前や柄糸などは、長い年月の間には木が痩せたり糸がほつれたりしますから、柄前を造り直す事はやむを得ない事だろうとは思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
参勤の武士はお土産に鐔を買うのを楽しみにしていたというような話を目にしたことがあります。
刀装具に用いられる金具は全体でなにかのテーマがあるように揃えるとも聞きますが、鐔を取り替えるのは武士の楽しみであったでしょうね。 その際には切羽で調整とばるのでしょうが、実用の時代には切羽も単なるギャップ調整ではなく、中心に合わせてきっちりと調整した物が必要だったかと思います。 となると、鐔毎にそれようの切羽セットを一緒にしとかなければなりませんが、そのような話は聞いたことありません。 鐔自体も責鏨なり責金が必要ですが、1,2日でやって貰えるような物だったのかもしれませんね。 助国先生の影響で刀にはやっぱり拵がいるなーと思いますが、拵付きで販売されている刀剣も、合わせが多いようですね。 特に家紋付きの拵に入れると海外に〇〇家伝来で売れるとか。 こちらのオークションでも、根拠なく家紋表を示して、某家所有と解説を見ます。 そういえば、某店でとても品の良い在銘の小柄を見かけました。 数カ月後、同手で無銘の割笄が。。。 これなど、典型的な拵からバラして売っているパターンなのかと悲しく思いました。 (2024.05.01 16:30:41)
源利行さんへ おはようございます。
何時もコメント有り難うございます。 鍔を交換するときには、大体に於いて切羽も交換することになりますね。 本来は、鍔交換するときは、切羽も新規製作するのが基本でしょうが、其処までは中々出来ませんから、古い切羽などで合わせるしか有りません。 従って、私は以前から切羽の売り物が出たときなどは、なるべく購入するようにしていました。 無垢の切羽なら削ったりも出来ますが、着せの切羽では如何ともし難いです。 従って、私は銀無垢の新作切羽を予備として購入所蔵しています。 新規に拵えを造るときには、切羽も新調しますから問題ありませんが、既存の拵えの鍔交換は、少し工作が必要になることもありますから、安易には交換しない方が良いのかも知れませんね。 拵えから金具がバラされるのは、其の方が売りやすいからで、商売としては仕方ないのかも知れません。残念ですが・・ 現在では、刀剣の愛好者より小道具の愛好者の方が多いのではとも思えますから、【刀は白鞘で小道具は箱で】と云うのが、必然となっているのでしょう。 私自身は、小道具だけを楽しむと云う趣味は持ち合わせず、此の金具でどんな拵えを造るかに傾注しています。 其の為に、なるべく図柄を揃えて金具は集めてきました。 高価な金具はとても買えませんが、身の丈に合った金具を集めて、拵えの構想を考えたりして楽しんでいます。 (2024.05.02 10:44:52) |