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シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

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2015年08月26日
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カテゴリ:神秘体験空間
 前回の続きだが、妖精の構成要素について、恐らく矛盾やややこしく感じたように思われるので、簡単に概略を述べる。

 ややこしく感じるのは、唯物論が可視化された世界しかみていないので、創造と破壊、つまり正と負を一緒くたにしてしまっているからである。

 例えば、電気の世界を数学で記述すれば、虚数の世界や負の領域があるように、エーテル界には陽(正)と陰(負)がある。

 例えば、ディラックは特殊相対論を量子力学に当てはめるために、負のエネルギーの世界を仮想領域として想定した。数学上、負の確率が生じるので、フェルミ統計を採用して、量子力学の観測量は必ず二乗で計算するようにした。

 ポール・ディラック
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF

 そのようにしたら、今度は空間に鏡像ができた。この鏡像がアストラル界である。

 更にアストラル界では、物質界での進行が逆に展開している。だから、物質界でのエントロピーの増大は、アストラル界では減少になる。

 このことを簡単にいえば、物質界では時間がたつにつれどんどん無秩序になり、ゴミが増えていくが、アストラル界では時間(順序)が逆に進み、どんどん秩序化され、ゴミがリサイクルされていくのである。

 妖精は物質界とアストラル界の間のエーテル界にあって、創造と破壊を直接イメージとして働かせているわけである。だから簡単に前回の妖精をまとめると、

 地の妖精は、核力、電磁気力の破壊を行い。水の妖精は、電気力の創造と核力、磁気の破壊。風の妖精は、電磁気の創造と核力の破壊。そして火の妖精は、核力と電磁気力の創造を行う、ということになる。

 唯物論の現代物理学からいうと、重力が抜けてしまっているが、闇の破壊力全てを重力と考えればよいだろう。重力が引力しかないのは、物質界がエントロピー増大の法則より、無秩序化する破壊を基本としているからである。

 つまり、アストラル界に光として、重力の反作用(斥力)が存在する。だから量子力学と重力論を統合しようとすると多次元世界を想定しないと辻褄が合わない。

 だから、超弦理論などから、妖精の存在も数学的に証明できるはずである。実際、超弦理論では、超弦膜と呼ばれるディレクレ境界条件を用いて生物のように振る舞う時間軸のみの空間が考えられているようである。

 Dブレーン
 https://ja.wikipedia.org/wiki/D%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%B3

 唯物論が出発点である限りは、ゼロ次元の時間をどうにかこうにか捏ね繰り回してパイコネ変換でもして、誤魔化すしかないだろう。

 それでは前回の続きに戻る。

 ★         ★         ★

 以下、シュタイナーの説明に沿って、それぞれの妖精の由来、現れる条件、性質、役割について述べる。

 地(土)の精(ドイツ語で「グノーム、コーボルト」。一般的には「ノーム」と呼ばれる。)

 まず地の精がどうやって生まれたかだが、「睡眠を霊視する」の最後で紹介した分霊の発生という現象を思い出して欲しい。自分ではない他の高次の自我が、睡眠中の人間の〔物質体、エーテル体〕に入り込み、そこで分裂を起こして、千切れた霊=分霊が生じる現象である。

 地の精も、自然界で特定の役目を果たすため、かつて高次の霊から分裂してできた分霊なのである。その高次の霊は全集136『天体と自然界の霊的存在』の第3講演によれば、権天使(時代霊=アルヒャイ)である。

 鉱物と通常の岩石が接する、つまり、金属と他の岩石が接する境界に出現する。妖精は常に2つの世界の境界に現れる。地の精の場合は、生物が一度も入ったことのないような鉱山の地底などにいる。

 鉱夫はそのような鉱山を掘り進んでいくので、地の精に一番遭遇しやすい人間である。鉱石や岩石を持ち上げた時に、何ものかがサッと飛散したような気配を感じとることがある。土を掘ると、そこに固まっていた地の精たちは、パッと破裂してばらばらに分かれてしまう。彼らは体を自由に大きくもできるが、人間より大きくなることはない。

 (宮崎駿のアニメにでてきそうなキャラだ!)

 地の精の体を構成する一番高次の要素は物質(結晶)体なので、肉眼に見えてもよさそうだが、物質界以下の破壊力の影響で見えない。彼らがもつ通常の物質体に近い構成要素をみるには特殊な高圧下でのみ可能である。

 しかし、圧力を除くと、一瞬のうちに飛散する。高圧下の土のなかにある時、彼らの体は圧縮されて、大勢で蹲っていたり、時には不気味にも伸びたりする。圧力を除くと飛散していく様子は、人間の物質体が、自我、アストラル体、エーテル体を失って崩壊する死の様子と同じである。

sekai4-2.gif

 (ゆるキャラのねばーる君のような感じか? ねばーる君は崩壊はしないが。)

 霊視力のある人は地中の彼らが見える。彼らが小さな物質体を持っているのが見える。その物質体の中には、人間の脳に似た器官がある。人間の物質体の脳には、自我やアストラル体、エーテル体などの高次の要素が浸透しているが、彼らの「脳」には、そのような高次の要素が欠落し、代わりに物質界以下の破壊力の原理下にある。

 妖精はいわば宇宙の霊(精神)の進化の道からはずれた存在なので、地の精の「脳」も高次の進化の意図に沿っては働かない。むしろ、進化を阻むように働く。

 しかし彼らの知能は、ある意味、人間よりも優れている。彼らは知の塊ともいえ、霊(直観)的な理解力をもっている。だから地の精は人間の理解力を不完全なものとして見下し、人間が論理的に推論しながら考えている様子を見ては馬鹿にしていると、シュタイナーは述べている。

 彼らには自我がないから、倫理的責任感なども期待できない(道徳性が皆無)。しかし最高度の「機知」(ウイット)をもつので、彼らに出くわす人間は色々な悪戯やからかいを受ける。研ぎ澄まされた自然感覚をもっている鉱夫は、この存在に気づくとシュタイナーは述べている。

 (巷のTV番組の宇宙人で有名なグレイともよく間違えられる。)

 一般に、他の自然霊も含めて、目に見えないが、我々の世界に多大な影響を与えている。

 妖精の構成要素

                 地の精   水の精   風の精
 (創造力)

 アストラル体                       ○ 

 エーテル体                   ○     ○  

 物質体               ○     ○     ○  物質界 以下の力で不可視

 (破壊力)

 - 1(光エーテル=電気力)    ○     ○     ○ 

 - 2(化学エーテル=磁力)    ○     ○       

 - 3(生命エーテル=核力)    ○ 

 霊視者が地の精を見つけても、その数を数えることは非常に難しい。三つまで数えた途端にハッと気づくと、三つが複数になってしまう。物質界での計算は通用しない。物質界でやり慣れている数え方をすると、彼らはその優れた知能で邪魔する。彼らの知能は人間の計算の先まわりをするなどは簡単にやってのける。

 さて、地中に棲む地の精は、大地が好きなのか?

 この点についてシュタイナーは全集230番、第9講演の中で、興味深いことを述べている。

 地の精の姿は月の満ち欠けに応じて変化する。満月の時の月光を嫌う彼らの肌は、防御のために鎧のようなもので覆われる。そのため、地の精は小さな騎士のような姿になる。

 (狼男の原点か?)

 しかし新月の時は、逆に透明になって、霊視すると中身が透けて見え、そこに様々に綺麗な色がチラチラと輝いているのが見える。まるで人間の脳の中を覗いたみたいにみえる。しかし地の精の脳の中に見えるのは遥かな宇宙への憧れである。

 地の精は地上を超えた宇宙に憧れを向けている反面、地上的なものを憎んでいる。なぜなら、大地は地の精を常に両棲類(ひきがえるなど)の姿になる危険に曝しているからである。地の精は次のように感じている。

 「あんまり大地に染まると蛙になってしまう」。

 だから彼らはいつも大地に慣れすぎるのを避けようとしている。そこで彼らは、地上を超える理念に没頭する。地の精は、本来、大宇宙の理念の担い手なのである。

 (時代霊アルヒャイから分霊したので似た性質をもつ。他のシュタイナーの本には、地の精霊が、牛が食する植物などから地上を超える理念を受け取ると記述されている。だから、土の精霊には牛が必要で、東洋の牛信仰は、土の精霊信仰でもある。)

 私(リンク先の管理人)はこの話をシュタイナーの講演で読んだ時、蝦墓の妖術を使う児雷也の姿を思い出した。大きな蝦纂の上に乗って印を結んでいる姿である。歌舞伎や初期の映画で上演された児雷也の物語は中国の説話に由来しているが、妖術は中国が本場である。

 妖術はヨーロッパの魔法に相当する。妖術や魔法が自然霊の力を利用している、という話は知っている人も多いだろう。ゲーテの『ファウスト』の中でも、ファウストが地霊を呼び出す場面がある。

 (日本人が家を建てるときに地鎮祭をするのは地の霊への挨拶が形骸化したものである。)

 自然霊は高次霊の指導の下におけば善用できるが、自然霊の力の利用には常に危険を伴う。一歩間違えれば黒魔術になる。かつて古代アトランティス人たちは、ある種の自然霊を悪用して自滅した。

 現在の人間の系譜が始まった古代インド文化期の前に、古代アトランティス時代があったが、彼らは霊能者で、自然霊も「見え」ていた。

 ★         ★         ★

 次回に続く。





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Last updated  2015年08月28日 14時27分16秒
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