万羽のツルが集う やすらぎの地 「出水市荒崎 越冬ツルの渡来地」
古来より、鳥は人と深くかかわりを持ってきました。ツルは、古事記や万葉集にも登場するほか、詩歌をはじめ絵画などの題材としてとりあげられ、私たち日本人の生活に根付いている鳥です。
ナベヅルの越冬地はかって西日本全域にあったのですが,いま,日本で定期的に野生のツルを見られるところは、鹿児島県出水地方,山口県周南市八代それに北海道東部の3箇所のみです。このうち山口県周南市八代は、都市化などの理由で渡来数が年々減少し、今ではわずか十数羽にとどまります。なお、高知県四万十市では、ナベヅルやマナヅルの安定した渡来地になるよう、餌場の確保や保全のための整備などを進めていますが、定着には至っていません。
渡りをしない留鳥タンチョウは,北海道の釧路湿原などを中心に繁殖しており、約1,300羽が生息していると推定されています。
出水平野には,毎年1万羽を超えるナベヅル,マナヅルたちがやってきます。昔から,慶賀の鳥として親しまれてきたツル。ツルの群れて,飛び立つ華美で感動的な姿には魅了されます。
鹿児島県出水地方では、大正時代からツルの保護のために飼料費が地元に交付され、さまざまなツルの保護活動を行なわれてきました。この結果、ツルの数が徐々に増え、1927(昭和2)年に約440羽、昭和14年に約3,900羽を記録しています。しかし、戦争前後の混乱期には密猟も行われ、終戦後の昭和22年には275羽に減少しましたが、昭和42年に1,677羽、昭和62年に8,312羽、平成9年に10,469羽と増加しました。いま,出水地方には,ナベヅルが約10,000~11,000羽、マナヅルが約3,000羽飛来しています。この数は世界のナベヅルの約9割、マナヅルの約4割に相当すると推定されます。
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