レンタカー事故,外国人が急増 九州の業者「3年で7倍」
訪日旅行者の急増に伴い九州で外国人のレンタカー利用と事故が増え,レンタカー会社によっては外国人客の事故件数が3年間で7倍に上っている。交通ルールの違いが事故を生むケースもあり,業界団体や各社は多言語で注意を促す冊子の配布や,運転者が外国人であることを示すステッカーを車体に貼るなど対策に乗り出している。
福岡県レンタカー協会によると,福岡空港周辺の大手6社営業所での外国人(在日外国人を除く)のレンタカー利用は,
・2013年2655件
・214年6725件
・2015年1万3861件−と3年間で5倍増。
また,九州7県警によると,外国人が関係する人身事故(在日外国人を含む)は2015年だけで1046件に起きている。
各社は,日本と反対の右側通行,左ハンドルの国からの旅行者に特に注意を促したり,日本の交通ルールや標識の解説を各言語で記した説明書を手渡したりと丁寧に対応するが「言葉の壁もあり難しい」。外国人客が標識を理解できず,駐車違反の苦情が寄せられる件数も増えているという。
ドライバーにも注意を促すため,ニッポンレンタカーは5月から「外国の方が運転しています」というマグネット式ステッカーを各営業所に配備。鹿児島県レンタカー協会も今月中旬,同様のステッカーを加盟58社に配った。また,外国人の乗る車に初心者マークを貼る会社もある。
■外国人観光客,左側通行に苦戦
大分県レンタカー協会(大分市)によると,大分県内でも外国人観光客の利用は年々増えおり,多言語対応のカーナビを導入する店舗が増加。協会では,会員企業40社向けに国際運転免許証に関する研修会などを開いている。
事故への備えとして,日本の交通ルールや標識の解説,給油の仕方などを各言語で細かく記した説明書を渡したり,24時間対応の通訳サービスを案内したりしている会社もある。特に右側通行の韓国や台湾のレンタカー利用客は,交差点での誤進入や逆走を起こしやすい。そこで各店舗では出発前,右ハンドル車の操作法を丁寧に説明している。
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