全国の地震活動と火山概況(3月)- 気象庁発表
気象庁は9日,「平成30年3月の地震活動及び火山活動について 」
http://www.jma.go.jp/jma/press/1804/09a/1803jishin.html で,今年3月の地震活動及び火山活動について解説し,国の活火山のことし3月以降の活動状況や警戒すべき点について発表しました。
●地震活動- 全国の地震活動
3月1日に西表島付近でM5.6 の地震が発生し,最大震度5弱を観測しました。被害はありませんでした。
全国で震度3以上を観測した地震の回数は15 回で,このうち,最大震度5弱を1回,最大震度4を観測した地震は 2回でした。日本及びその周辺におけるM4.0 以上の地震の回数は73 回でした。
●火山活動
・霧島山(新燃岳)では,1日から8日にかけて噴火が連続的に発生し,6日以降は爆発的噴火が発生するなど,活発な噴火活動が継続しました。弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで,火砕流が概ね2kmまで達する可能性があります。そのため,火口から概ね3kmの範囲では警戒してください。
・桜島では,昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲で,噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください
口永良部島では,新岳火口から概ね2kmの範囲で,噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では,火砕流に警戒してください。
・西之島では,火口から概ね1.5kmの範囲で,噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
・草津白根山(本白根山)では,本白根山鏡池付近から概ね1kmの範囲では,噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
浅間山では,山頂火口から概ね2kmの範囲で,噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
・霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)では,えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では,噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
・薩摩硫黄島では,3月19日及び22日に火山性地震が増加しました。火山活動が高まっており,小規模な噴火が発生する可能性があると判断したことから,19日11時45分に火口周辺警報を発表し,噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げました。硫黄岳火口から概ね1kmの範囲では,噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
・諏訪之瀬島では,火口から概ね1kmの範囲で,噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
・秋田駒ヶ岳では,6日から14日にかけて低周波地震が発生し,4月3日(期間外)02時13分頃に振幅の小さな火山性微動が発生するなど,火山活動が高まっている可能性がありますので,今後の火山活動の推移に注意してください。なお,女岳周辺では噴気活動がみられますので注意してください。
・蔵王山では,2月4日以降地殻変動に変化はなく,2月8日を最後に火山性微動は観測されていないことなどから,蔵王山では想定火口域(馬の背カルデラ)から概ね1.2kmの範囲に影響を及ぼす噴火の発生する可能性が低くなったと判断し,6日14時00分に噴火予報を発表し,噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げました。2013年以降,火山性地震や火山性微動が時々発生し,地殻変動に変化がみられるなど,火山活動の高まりがみられることがありますので,今後の火山活動の推移に注意してください。
・阿蘇山では,孤立型微動が多い状態で経過しました。火口内で土砂や火山灰が噴出し,火口縁に影響を及ぼす可能性があります。また,火口付近では火山ガスに注意してください。
・霧島山(御鉢)では,火山性地震は少ない状態で経過し,その他の観測データにも活動の高まりを示す特段の変化はみられていないことなどから,御鉢では火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められなくなったと判断し,15日11時00分に噴火予報を発表し,噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げました。活火山であることから,火口内で噴気や火山灰,火山ガス等の規模の小さな噴出現象が突発的に発生する可能性がありますので注意してください。
その他の火山の活動状況に特段の変化はありません。