ファンケル「82歳の創業者」がキリンと組むわけ-- 「今年で82歳。私が死んだら社員が困る」
「私は今年で82歳。私が判断できるうちに、信頼できる会社に、わが社の将来を託したほうがよいと思った」
ファンケルの創業者である池森賢二会長は8月6日、東京都内で行われた記者会見で、キリンホールディングスと資本業務提携をした胸の内をこのように明かした。
■キリンは池森氏らから33%の株式を取得
キリンは、ファンケルの筆頭株主である池森会長と親族、池森氏の資産管理会社などから議決権ベースで33%の株式を取得する。株式の取得予定日は9月6日で、取得総額は1293億円になる。ファンケルはキリンの持分法適用会社となる予定だ。
ファンケルの前2019年3月期は、売上高1224億円(前年同期比12.4%増)、営業利益123億円(同46.6%増)と絶好調だった。主力のファンケル化粧品は基礎化粧品が堅調で、訪日観光客による爆買いがサプリメントの売上も押し上げた。
2015年4月には食品に健康の効能を表示できる「機能性表示食品制度」がスタート。日本で初めて目の機能性表示食品「えんきん」を2015年6月に発売。目のぼやけを緩和するこのサプリメントは、同社のコア製品へと育っていった。