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奈良町の「札の辻」はご存じですか。上の写真は、かつて橋本町の「南都まほろば会」が復元した高札場です。昨年、里程元標も復元されました。三条通りと、餅飯殿・東向の通りが交わるこの場所は「札の辻」と呼ばれています。(最近は、中谷堂の高速餅つきが有名になっていますが) 奉行所からの命令などの「高札」がこの辻に掲げられたことからくる名前です。階段の上は「手力雄社」、その向うはかつてNHKがありましたが、現在は興福寺の信徒会館となっています。 大和盆地の南、八木にも「札の辻」があります。 こちらは、近鉄八木駅の少し東南の位置になります。この建物の全景は、次の写真で。
上の写真は北の方=奈良方面を向いて写したもので左(西)側が、先ほどの建物、そして右(東)側の建物も、ともに旅館であったということです。中街道は、この先、近鉄大阪線の踏切を越え、現在の国道24号と斜めに交わり、寺川沿いに田原本町役場へと進みます。 また、逆の南方向には「井戸の辻」で国道165号を越え、JR桜井線を渡って晩成小学校から飛鳥川を越えます。(とちゅうで東へ曲がると、おふさ観音から藤原宮跡へとつながります) ちなみに、井戸の辻には「岸の竹酒造」という造り酒屋さんがありますが、その前には「八木町道路元標」という石碑もあります。 奈良市の「ならまち」に対して、橿原市の「今井町」が伝統的な建造物の保存地域(奈良町は「景観形成」地域)として有名ですが、実は、近鉄大阪線からJR畝傍駅周辺、おふさ観音・飛鳥川にいたる中街道沿道には、まことに立派な「町家」の建物がたくさんあります。奈良町の町家が、間口よりも奥行きの深い「鰻の寝床」スタイルなのに対して、八木町にはかなり間口の広い建物が多い印象があります。 あくまでも個人的な感想ですが、環濠の中の閉鎖的な「今井町」エリアよりも、街道筋の「八木町」の方が親しみを感じます。ある意味では、クローズアップされた「今井町」が商業的にはあまりプラスになっていないことが、八木町の「町並み保全・活用」に対して「足を引っ張る」ことになっているのではないかとすら思うのです。 奈良町の「中街道」と八木町の「中街道」、二つの街道筋に注目していきたいと思います。 http://kazabito.com/yamato_yagi/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.01.23 09:34:54
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