音には絶大な効果があるPlitronのトランスですが、
前も書いたとおり罪な部分がありまして・・・何かというと"唸り音"です。一個二個では気にならなくとも、夜間SNの良いAudio Barnに1000VA×2と100VA×2を無対策で転がしておくと、さすがにジージーうるさい時もあります。(最初は大丈夫かと思ったんだけどね~
)
そう、気に障る音なんですよね、トランスの唸り音は。
電源ノイズなんて聞こえないノイズを取るために、
耳障りなノイズ対策をするという理不尽さ。
余裕があれば唸らないトランス(たとえば
ピピエコさんちにある”当たり”)を選ぶなんてこともできますし、実際それに近いことはしました。
うるさかったのはオーディオ用以外にしちゃったし。
でも、普通の対策はケースに収めること、ですよね。
技術顧問に相談すると、
唸る物の対策は次のものがあります。
- 吊る
- 囲う
- 固める
- ロスらせる
- 落とす
- 縛る
まず1.の「吊る」ですが、これは発生する振動はそのままにして、これを床などに伝えないという工夫。スプリングインシュレータの上に載せる(但し天板には注意)という感じ。でも直接放射音には無効。
次に2.の「囲う」ですが、これは「粋な黒塀見越しの松に♪」ではなくて(それは囲われる^^)、質量のある厚い壁で覆うこと。金庫の中に入れちまうとか、地下の納骨堂かワインセラーに置くなど。放熱対策は考えてくだされ。
その次の3.「固める」はエポキシ云々の手です。そもそも個体差があるのは、樹脂の含浸が不十分でコイルが踊っている奴ではないか?という線(あくまで想像)。ただ固まっちまった物を外から固めても、2.の「囲う」に等しいのでは?と思います。それにエポキシは硬いので、次の「ロスらせる」の効果なし。
さて次は4.「ロスらせる」。これはロス疑惑ではなくて、振動方程式の減衰項比率を大きくするというもの。硬い物に接触させずに、フェルトやブチルゴムなどのフニャフニャ系で囲い、ここで振動エネルギーを吸収させる方法。好き嫌いはありますが、この場合は一番利きそう。但し放熱対策は必要です。
5.「落とす」。これはそのまま大地に直結させる方法。メカニカルグランドとか言いますね。鋼のスパイクで守谷の岩盤上に置き、茨城マントルを貫いて地下の地獄に伝えるというもの(ダンテの「地獄編」では、地獄はエルサレムの地下にあることになっています)。これも1.同様、直接音には無効で、要するに床に伝えないという方法。エルサレムや茨城マントルでなくても、十分な質量のある物体(1tぐらい?)に結合させてもよろし。(振動モードが変わるだけ)
出ました!6.「縛る」。赤い縄で亀甲結び。上手い人は上手い。これは3.の固めるに通じるものがありますが、芯まで締める効果も期待できそう。でも樹脂含浸したトランスを締めるのは、すげー力がいりそうですな。
さあ、どれにしますか?
・・・・ま、「2.囲う」でしょう。茨城のマントルは貫けませんから。当初1.吊って2.囲うの複合がよいかとも思いましたが、まずは基本から。
(続く)