オーディオマニアの多くは電源にはトランスを入れノイズカットしたがりますが,ライントランスは入れたがりません。というかラインには介在物を挟みたがりません。ライントランスを商品化するメーカーも少ないですし,あってもアンバランスのみ。ただしJRDGやLINNは”高級機に”あえて広帯域のライントランスを入れていますね。
特にLINNはKLIMAX DSに採用されたLUNDAHL製のLL1527を,専用筐体に組み込んで製品化し,アイソレーション・ライントランス「PURiFi」として販売しています。バランス,アンバランスに対応する(相互の変換には向かない)珍しい機器です。
CH Precision C1をDA Controllerとして使い出してから,このライントランスに興味を持っていました。
理由の一つはグランドノイズ・カットですし,もう一つはPURiFi前後(IN/OUT)にケーブルが必要ですから,その選択肢が増えるかな,と思いまして。つまり,5mの長尺のXLRケーブルは中古市場でも探しにくいため,それが1.5m+3mとかになると,もっと自由度が上がります。
もっとも,負の要因もありますね。トランスを入れることでマニアの心理に生じる挟レンジ感は普遍なもの。あとはDACとPowerを直結してトランスを挟む本末転倒感(素直にプリを使えw)。それにPURiFi自体の割高感もあると思います。一個9,900円のトランス×2がLINNの名前の箱に入って12万円だもんなぁ。
あとは,そういうスタンスのLINNがブランドとして好きじゃないとか(苦笑
調べてみると,PURiFiはKLIMAX DSの音の良さ(LUNDAHLの良さ)に気づいた日本のショップが企画を立て,それを英国LINNが採用した経緯のようです。ネットにあった内部写真を見ると,基板の上にトランスが並んでいるだけで,他のCRは何も配線されていません。となると,繰り返すけど一個9,900円のトランス×2がLINNの名前の箱に入っただけで12万円か(笑
益々未試聴で判断すべきものではないと思い,試聴機をお願いしました。
(続く)