「やりなおし高校地学」を読んで
地学は中学校の時まで得意(と自分では思っていた)だったのだが、高校最初の中間テストの問題が衝撃的だった。大きな結晶の立体図があって結晶面の角度を答えるというもので、これはどうみても立体図形の問題にしかみえなかった。しかも図自体がデフォルメされていて、図を見ただけでは見当もつかない。最初から硬度や結晶面の角度が提示されていて鉱物の名前を答えるような問題だったらよいのに。理数系という言葉は知っていたけど、なんで理科と数学が親戚なのかさっぱりわからなかったが、この問題をみてそういうことかと初めてわかった。地学に限らず理科は高校になって急速にレベルアップする。生物は最初の授業で教師がいきなり亀の子を書き出してびっくりしたし、高校二年になってからの物理や化学となるとさらにわからない。中学から高校へはどの教科もレベルアップするものだが、理科がレベルアップの幅が最も大きかったように思う。「やり直し高校地学」を読んで改めてそう思った。教師がことさら衒学的な講義を行っていたのではなく、内容自体が非常に難しかったのだ。須臾のような人の一生に比べて10万年単位で考える地学というのはロマンがあると思うのだが…。子供の頃は石集めに夢中で寝るときにはよくポケット版の岩石鉱物図鑑をみており、遠足となるとハンマー、虫眼鏡、図鑑を持参した。親はよく笑っていった。「七詩や、そんなに石が好きなら大きくなったら石屋になるのかい。」「うん、どうしようかな。」子供の頃に工事現場の砂利山から拾った石はいまでももっている。針状の結晶を持つ飴色の石なのだが、いまだにその石の名がわからない。