宗教団体というのは教祖は死んだ時がひとつの節目となるという。教祖のカリスマ性で成長してきたものは、その教祖の死亡とともに、急に勢いを失うものが多い。そのためいったん宗教法人としての登録をしたものの、休眠状態となっているものが数多くある。統一教会もキリストの弟と称していた文鮮明が死亡し、いまでは高齢の妻が後を継いでいる状態なので、今後はどうなのだろうか。統一教会が今後さらに大発展するとも思えないのだが、銃撃事件を契機に統一教会に再び注目が集まっている。
今回問題となっているのは高額の御布施と名称変更であるが、これは直接の関係はない。銃撃犯人の母がお布施を行ったのは名称変更の前である。報道されているような自己破産に至るような布施はたしかに問題だが、統一教会の信者すべてがこうしたことを行っているわけではないし、また、統一教会以外の宗教、もしかしたら伝統宗教でもこうしたお布施の例というのはあるかもしれない。つまりお布施の問題は追及すればするほど、他の宗教にも波及しそうである。
霊感商法も同様である。最近はないのかもしれないけど、週刊誌などではよく幸運を呼ぶ商品、ブレスレットや竹の絵などの広告があった。そしてそこにはかならず、これを身に着けた翌週に片思いだった人から交際を申し込まれたという類の体験談が掲載されていた。多くの人はこうしたものに弱い。そして原価をはるかに超える幸運の商品を売りつけるのは統一教会だけではない。
つまりオウムのサリンテロなどと違い、統一教会の問題は、実は他の宗教や占い、おまじないなどスピリチュアル業界?全体に波及しかねない話であり、だからこそ、過去にも世間の耳目を集めたものの、批判はいつのまにか下火になっていったのであろう。
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