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責任の観念を再検討して、永田軍務局長が、部下の現役軍人によって暗殺されたにもかかわらず、直に辞職せず、その善後策を講じつつあった林(銑十郎)陸相は、その後師団長会議、司令官会議を続開してその心境を披瀝すると共に、粛軍の意を訓示し、今後互に相誡めて、再びかかる不祥事のなからしめんことを力説し、ここに「名義上」その善後策を講じ得たとして終に辞職した。尤も彼はその後任者として、無色透明なる、いずれの閥、いずれの派にも属せずして、粛軍の責任を完うし得べきものを奏薦したけれども、それは唯「名義上」その善後策を講じただけであって「実際」にこれを完了したものにあらず、更に進んで、その禍根を絶ち能わなかったのは、如何にも残念であった。と同時に、軍部内に於ける最高幹部間の対立関係が如何にも複雑であり、デリケートであることが推察され、林陸相の手腕を以てしては、到底最終のメスを揮い能わなかったことも、またこれによって暗示されたのであった。 (昭和十年九月)
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最終更新日
2005年05月02日 16時01分14秒
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