カテゴリ:小田さん&音楽
あのときは、若かった。大学受験に失敗した春だった。
自分の能力のなさと身の程知らずが恥ずかしくて、しばらくぼーっと同じ曲ばかり聞いていた。しばらくといっても多分2~3日だったのだろう、でも記憶の中では1週間くらいに感じる。 きっと親は意見のひとつもしたかったのだろうけれど、放っておいてくれた。いま思えばありがたいこと。でもそのときはそんな親心に気がつかなかった。 春の暖かい日差しの中で、泣くでもなく、キレるでもなく、荒れるでもなく、ただただこの曲をくりかえし聞いていた。それは、ブレークしそうな雰囲気のあった、オフコース/眠れぬ夜。 たとえ君が目の前に膝まづいて すべてを忘れて欲しいと涙流しても 僕は君のところへ二度とは帰らない あれが愛の日々なら もういらない 愛に縛られて動けなくなる 何気ない言葉は傷つけてゆく 愛のない毎日は自由な毎日 誰も僕を責めたり出来はしないさ… この曲のイントロが好きだった。小田和正のハイトーンが新鮮だった。いままで聞いた事の無い精密なコーラスだった。なによりこれから売れて行きそうなオフコースの勢いを感じていた。自分も立ち直らなきゃ、どうしたらいいか分からないけど何とかしなきゃって思い始めた。そんな気持ちにさせたくれた「眠れぬ夜」。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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