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カテゴリ:憲法
東浦です。行政書士試験を見据えると、いよいよ残り四か月を切りました。イメージ的にはぼちぼち、本番を意識したトレーニングを積んでいきたいところですね。東浦の場合、紙面模試等をやってみると、時間が足りないってことはほぼない。文意の読み違いによるミスがなければ合格点にはなんとか届く。一般知識は足切りギリギリクリアぐらいのことが多い。こんな状況なので、特に中盤、問題を解くことに飽きてくる25~40問目あたりでもう少し集中したいところです。多肢選択になるとまた気分も変わってくるんですが。
というわけで、本日は憲法16~17条をざっと見ていきましょう。 〔請願権〕 第十六条、請願権はそれほど突っ込んだ出題がなされる部分ではないと思われますが、明治憲法との比較において、一般知識的に問われることがあるかもしれません。明治憲法にも「日本臣民ハ相当ノ敬礼ヲ守リ別ニ定ムル所ノ規程ニ従ヒ請願ヲ為スコトヲ得」と定められていました。したがって、日本国憲法に切り替わってはじめて登場したものではありません。また、請願は天皇に対しても行うことが出来ますが、その提出先は内閣です。内閣総理大臣、とひっかけられても気づけるように、一応チェックしておきましょう。
第十七条は、国家賠償法のモトになっている条文ですね。明治憲法的世界観では国家無答責、官吏無答責がメインストリームでしたが、日本国憲法において改められた形ですね。国賠法、試験的には比較的答えやすくておいしい部分ですから個人的には好きです。 それはさておき、17条は有名な判例があるので一応、押さえておきましょう! 〔あらすじ〕 Xは、県内のAに対して1億円以上の支払いを命じる確定判決を有していた。このうち7200万円について、金融機関にあるAの預金などを差し押さえる命令を、神戸地方裁判所尼崎支部に申し立て、1998年4月10日に神戸地方裁判所尼崎支部は債権差押命令を行い、差押命令を「特別送達」で金融機関とAの勤務先に送った。債権差押命令の正本は4月14日にAの勤務先に、一方で金融機関には郵便業務従事者が金融機関において行うべきところを、誤って金融機関の私書箱に投函してしまった結果、時間差が生じ、4月14日にAは金融機関の口座に残っていた全額を引き出してしまい、Xの差押えは失敗に終わった。事件当時の郵便事業は、郵政事業庁による国営で、当時の郵便法は第68条で書留郵便物等を無くすか破損した場合、金をとらずに代金引換郵便物を渡した場合に限って国に損害賠償を請求することができると規定されていた。また、当時の郵便法第73条では賠償請求できるのは差出人とその承諾を受けた受取人に限定していた。Xは国家賠償請求責任を狭く限定した郵便法の規定が、国家賠償請求権を保障した日本国憲法第17条に違反するとして、日本国政府を提訴。〔判旨〕 憲法で認められているはずの国家賠償請求なのに、郵便法の規定で請求出来なくなっているのはおかしいじゃないか!!という原告の怒りが浮かび上がるかのような判例ですよね。郵便法が明治憲法下当時の設計のままろくにアップデートされていなかったがために生じた問題ですが、日本の郵便が基本的には誠実で丁寧にミスの少ない仕事を頑張ってくれているがため、表面化するまでに少し時間がかかったのかもしれませんね。違憲判決が出ている判例なので、ばっちりチェックです。ちなみに東浦も一度だけ、あわや郵便事故、という事態に遭遇したことがありますが、その時も都内の経路上の郵便局の皆さんが真摯にご対応いただき無事発見されました。きっと、海外じゃこうはいかないんだろうなあ、と日本人で良かったなあ、なんて思った記憶があります。 少し長くなりましたので、18条は別にします! 今日も一日頑張っていきましょうね。東浦でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.07.13 09:41:24
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