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カテゴリ:本当は怖い家庭の医学
本当は怖い家庭の医学(診察日:11月28日)より
『本当は怖い手の震え~波打つ悪魔~』 T・Mさん(女性)/52歳(発症当時) 介護士 5年前に両親に先立たれて以来、高齢者の介護に目覚め、 人気の介護士として忙しい毎日を過ごしていたT・Mさん。 冷え込みの厳しくなった12月も半ば、介護先でお年寄りを ベッドに横たわらせた直後、突然右手が震え出す異変に襲われました。 意識した途端、すぐに止まってしまったため、 特に気にも留めなかったT・Mさんですが、異変はそれだけではありませんでした。 1)手の震え 2)力を入れなくても震える(1年後 3)振れ幅が大きくなる 4)震えの回数が増える 5)震えを止めようとしても止まらない(5年後 6)無表情 7)身体が動かない <なぜ、手の震えからパーキンソン病に?> 「パーキンソン病」とは、脳内の神経伝達物質ドーパミンが 異常に減少することで、運動機能に障害を起こす病。 最悪の場合、寝たきりになってしまうこともあります。 未だに原因が分かっていないため、難病に指定されていますが、 決してまれな病気ではありません。 20代から80代まで幅広い年代で発症し、現在国内の患者数は、およそ12万人。 50代以上に限ると、何と100人に1人がかかっていると言われるほど。 しかし、詳しい症状が知られていないため、病気に気付かない人も多く、 重症化させてしまうケースが珍しくありません。 T・Mさんもその1人でした。 彼女を最初に襲ったあの右手の震え。 実はこれこそがパーキンソン病の典型的な初期症状。 ドーパミンが不足すると、脳から指令が送れなくなり、 まずはこのように手や足が震え出すことが非常に多いのです。 でも、そのことを意識したり、何か作業をしようとすると 震えはすぐに止まってしまいました。これが、パーキンソン病の落とし穴。 手足の震えは、安静時にのみ起きるのが特徴。 最初は日常生活に支障がないことも多く、 さらに長い年月をかけて徐々に進行するため、見過ごしやすいのです。 T・Mさんが放置している間にも病は着実に進行。 無表情という症状が現れました。 あれは顔の表情をつくる筋肉への指令までもが異常をきたしてしまったせい。 そしてついには、とっさに立ち上がろうとしても、 全身の筋肉を全く動かせないほどに病を悪化させてしまったのです。 現在、T・Mさんは薬を飲みながら懸命にリハビリを続けています。 未だ完治の方法がみつかっていないこの病。 しかし、早期に発見することが出来れば、薬によってそれまでと ほとんど変わらない生活を送ることも出来ると言われているのです。 あなたは最近 手が震えることはありませんか? その震え 何かをしようとすると止まりませんか? そして 震えが少しずつ大きくなってはいませんか? パーキンソン病は血液検査では発見できない 早期発見のポイントとなるのが「手や足の振るえ」=振戦 パーキンソン病の手の震えの症状は 安静時に大きく震え 動作をしようとすると止まり 動作をやめるとまた震えだす パーキンソン病は死に至る病ではない 早期に治療を始めれば薬で症状をおさえることができる 気になる手足の震えがあったら神経内科で相談することをお勧めします 他の病気の手の震えの特徴も知っておく必要がある! 「手の震えでわかる病気チェック」 1)手を伸ばした時 細かく震えることがある⇒バセドウ病 自己免疫の異常で甲状腺が炎症を起こし 甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病 動悸・息切れ・異常な発汗・眼球の突出・のどの腫れ・ 倦怠感・イライラ・体重減少など 様々な症状が出る 気になる場合は 血液検査で甲状腺ホルモンをチェックする のどの触診・エコー検査を受診 2)スイッチを押そうとすると細かく震えることがある⇒多発性硬化症 自己免疫の異常により脳や脊髄の神経を保護する部分が破壊される病 最悪の場合 失明したり 運動麻痺で寝たきりになることもある パーキンソン病とは逆にじっとしていると震えないが 何かをしようとした時に震える=企図振戦 何かを持った時にだけ震えるのは 生活に支障がなければ問題ない 3)寝ている時 ビクッと震えることがある⇒ミオクローヌス 筋肉の一時的な痙攣のこと しゃっくりもミオクローヌスの一種 寝ている時にビクッとなる程度なら特に問題ない 子どもに多いのは大丈夫? 子どもは脳が未完成なため起こりやすい可能性がある お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.29 22:00:47
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