カテゴリ:日々の雑感
栗本薫さんのお別れの会に出席してきました。 実際には、頭ではもう亡くなったことは知っているんだけど、どうも心が拒否をしているようで、まだグインサーガの最新刊『遠いうねり』はあとがきしか読めていません。そんな状態ですが、幸運にもハガキが当選したので、しっかりとこれまでの感謝を伝えてこようと行ってきました。 会場は古いながらも典雅さを感じる九段会館。ここはグイン100巻達成のときに百の大典を開催した、栗本さんには縁のある場所だそう。 家を出るときに居眠りで少し遅れてしまって、そういえばお腹空いたなあと思って、九段下の駅のそばのミニストップでパンを食べて腹ごなししたら、到着したのが開場時間の少し後でステージのほぼ正面の二階席に案内されました。ステージでは栗本さんのお写真がたくさんの花と著作に囲まれて、グインサーガ第一巻『豹頭の仮面』、群像新人文学賞評論部門を受賞した『文学の輪郭』、江戸川乱歩賞の『ぼくらの時代』、そして『終わりのないラブソング』の4冊の表紙が大きく貼りだされていました。 送る言葉は、早川書房社長、田中芳樹さん、講談社の編集の方、アニメグインのプロデューサー、そしてピアノを師事していた先生の5名がそれぞれのスタイルで述べられて、その場で思い出話をする方もいれば、原稿に思いのたけをぶつけられた方もいました。送る言葉を聞いて、自分も少し涙を流し、まだ早すぎるよ、と思うこともありました。 ただその後、栗本さんが作ったり演奏したりした楽曲を聴きながら参列者の献花になったのですが、自分の番を待つ間、栗本さんの大きな写真を見ながら楽曲を聞いて、献花する人たちを見ていると、ようやく、ああ、栗本さんはもうこの世にいないんだなあ、と腑に落ちたというか、心に落ちた感じで、それからはもう、これまでありがとう、たくさんの、どきどきわくわくして次がいつ出るかいつ出るかと首を長くして待っていた作品を紡いでくれてありがとう、本当にありがとう、という感謝の念があふれ出てきて、席に座っている間はもう、ありがとうの言葉しかありませんでした。 自分の献花の番が来て、カーネーションを置き、これまで本当にありがとう、あちらでもたくさん好きな物語を紡いでくださいね、私がそちらにいくときに楽しみにしていますから、と伝えました。 献花の後はそのまま会館を出て、しばらく外から九段会館を眺めていたのですが、外は蝉がジージーと鳴いていて、7月にしては多少暑さも和らいでいた曇りがちな日でした。 早川書房のニュースリリースはこちら。 7/20 九段会館 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.07.21 22:29:49
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