テーマ:最近観た映画。(39114)
カテゴリ:香港映画
初めて観たときからそんなに間があいていないから、ストーリーはあらかた覚えていました。だからハラハラドキドキは少なかったけれど、全体の構成というかシナリオを改めて俯瞰的な視点で眺めることができて、さすがと思うことが数多くありました。 最初の宝石店襲撃が起きてすぐに一味を特定して、次の強盗のときにはもう警察が待ち伏せをしている。影の男(レオン・カーフェイ梁家輝)やファットマン(ラム・シュ林雪)には逃げられるが、同時に起きた誘拐事件を解決しつつ、一味の隠れ家を強襲する。コンパクトで無駄なく事件が起きています。 冒頭の子豚(ケイト・ツイ徐子珊)がテストされたとき、犬頭(サイモン・ヤム任達華)がカフェで厳しい追及をした経験があったからこそ、影の男とのカフェでの応対も怪しまれることなく乗り切ったのでしょう。 雨で道行く人たちが傘をさして歩く中、子豚が立ち尽くす場面を上から撮ったショットは、傘の行き交う様子が『シェルブールの雨傘』のような演出だな、と思ったり。 警官殺しや犬頭を襲ったときの頚動脈を刺す攻撃スタイルの影の男が、最後は桟橋に掛かっていたフックで自分の頚動脈を刺されるところも芸が細かく、演出的な工夫に感嘆します。 そして、この作品でも音楽がとても効果的に使われていて、音楽とともに緊張感が増していきます。ファットマンのアジトを探る追跡の場面や影の男を尾行する場面で、自分も捜査に加わっているかのような気分になりました。 一度観ているという余裕があるからか、そうした音楽の効果にも気づきました。ヤウ・ナイホイ游乃海監督の次回作が楽しみです。 3/20 シネマヴェーラ渋谷 天使の眼、野獣の街 [DVD] 『孫文の義士団』4/16から公開! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.04.10 00:00:43
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