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カテゴリ:季節
4月19日(金) 4月もあっという間に中旬が終わろうとしています。 このところ気温も安定し、過ごしやすい日々が続いています。 今日の日記も在来種の山野草。 少し重量級を含みます。 題して「ありそうでなかなか見つからないお花」です。 まずはミツガシワ。 この場所は落ち葉や枯草が堆積していますが、その下はずぶずぶの湿地帯。 うっかり踏み込むと足が沈みそうな場所です。 両側から崖が迫り、小さな谷津が形成され崖下から湧き水が染み出てきています。 この植物が千葉県の丘陵地帯に自生しているとは、 これはこれは大変珍しいことではないかと思うのです。 従って保護のため場所は内緒にしておきましょう。 ミツガシワは北半球の寒冷地に自生する植物。 暖地に点々と自生地が残りますが、これは氷河期の残存植物と考えられています。 尾瀬ヶ原などでは大群落を形成していますから、 決して絶滅が心配される植物ではありませんけれども・・・。 誰かが何処かから持ってきて植えたものなのか、 それともずっと以前から自生しているものなのか、どこか謎めいたものを見ました。 ミツガシワ科ミツガシワ属の植物であり一属一種です。 この他、ミツガシワ科はアサザ属とイワイチョウ属があります。 イワイチョウ属もイワイチョウのみの一属一種で構成され、 寒冷地や高山の湿地に生える植物で、ミツガシワと性格が似ています。 一方アサザ属には、アサザ、ヒメシロアサザ、カカブタが属します。 こちらは沼地や湖沼に生える水生植物ですが、 そのどれもが環境省のレッドリストで絶滅危惧種の指定を受けている模様。 ミツガシワのお花は、カカブタのお花に一番似ています。 白い縮れた毛が生えたお花が、総状花序で咲く姿は何処が幻想的でありました。 ヤブキリの若齢幼虫が乗っかっています。 孵化したばかりのようです。 これはキランソウ。 明るい照葉樹林の林床などでたまに見かけますが、久し振りに見付けました。 辺りを見回しましたが、この一株しかありません。 「地獄の釜の蓋」という面白い別名を持っています。 地べたに張り付いたように伸びながら増えていきます。 全身に毛が生えていて、 ムラサキサギゴケと同様の雰囲気を持っていますね。 昨年見付けたフデリンドウの群落も健在でした。 今年は生育範囲が広がっています。 そういえば、野辺山高原の五光牧場オートキャンプ場でも咲いていました。 このようなお花に出会いますと何故かホッとしますね。 似たような種で同時期に咲く、ハルリンドウというものもあります。 この両者、お花は全く同じ様、まるでそっくりなのですよ。 葉っぱの出方が異なりますのでこの点で見分けましょう。 フデリンドウの葉っぱは広卵形でやや大きめ。 茎から出ています。 それに対して、ハルリンドウはロゼッタ状の根生葉を持つとされていますが、 お花の時期には枯れていることも多く、確認できる写真はweb上にはほとんどありません。 また、フデリンドウは乾燥地、ハルリンドウは湿地に生えるともいいます。 つぼみの形が筆に似ているので、「筆竜胆」と名付けられました。 一本の茎から枝分かれして複数のお花を咲かせることも特徴ですね。 タチツボスミレのお花と混群になっていました。 ムラサキケマン。 昔はよく見かけましたので、名前を良く覚えています。 全国の林地などに普通に生えているはずですが、 意識がスルーしているのか、意外と自生地を思い出せません。 一か所だけ、 山梨県の甲斐小泉駅近くの三分一湧水に群生していたのを覚えていますね。 今年はきれいに咲いている場所を見付けました。 記憶しておくことにします。 下の写真は我が家のお庭。 ムラサキケマンのお花が勝手に咲いていました。 キジバトかスズメか、はたまたシジュウカラかメジロかそれともヒヨドリか いずれかが落としていった種が発芽していたのでしょう。 種子にはエライオソームが付属しアリが運びますが、 そのような近傍で見かけた記憶はありませんな。 もっとも他所のお宅のお庭をじろじろと観察したことはありませんが・・・。 ムラサキケマンは少し変わった二年越しの越年草です。 花が枯れ熟した種子は翌年の春に発芽します。 幾らか成長した後、夏場は休眠し秋に活動を再開し冬を越し、 更にその翌年にお花を咲かせるというライフサイクルです。 従って昨年の春にはこの場所で芽を出していたことになります。 全く気が付きませんでしたな。 ここで定着するか楽しみですが、全草有毒ですから取り扱いには要注意です。 ケシ科の植物でプロトピンというアルカロイドを有します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.04.20 11:17:00
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