紹介文
列強諸国に蹂躙され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか?犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは―。『蒼穹の昴』に続く感動の中国宮廷ロマン。
しばらく読書から遠ざかっておりました。
まぁ人生いろいろありまして読書どころではなかったり。ってか、今もそれどころではないのですが、実は。
それでもつい手にしてしまったこの本。
韓国の明妃と間違ったなんてことは華麗にスルー。
史実に基づいたミステリーかと思ったのになんだかスッキリしない甘々なストーリーで結果残念なほんでした。
ひさしぶりに読書したのにー。
まず、皇帝の寵姫が内乱の混乱の差中何者かにころされた。
で、事後処理、というか中国版東京裁判のために送られれてきたイギリス人がぱーちーで小耳に挟んだこの話に飛びつき犯人捜しをする話なんですが。
まぁ普通に犯罪と考えれば重要かもしれませんが何万人と殺された義和団事件の後の話ですよ?
なぜに珍妃ひとりの殺人にこだわる?
単に個人的興味としか思えない。
珍妃、絶世の美女という設定だし。
この「藪の中」形式の小説は好きです。
で、こんだけの証言あつめて結局自殺だったってこと?
しかも自殺の理由がまたよくわからない。
皇帝の寵愛を受けていた自分が死ねば中国を侵略しようとしている外国人たちも考えるに違いないって、どういう理屈?
それに人が愛し合うことが当たり前のこの国って言っても、生臭い話に事欠かない清王朝にあってまったく説得力なし。
ヨーロッパ人が「人間として愛さなければならないとわかっていても、日々の暮らしのために良心を裏切り続けなければならなかった。だから彼らはその良心の呵責から逃れるために、愛、愛、愛と呟き続けねばならなかった」というくだりは的を射ていると思うけれど。