|
カテゴリ:文芸評論
被害者同盟
私は、著者のハードカバー新刊本が発刊されれば、必ず購入して読んでいる。 本作品は、近年の著者の、ダイナミックな作品や、大河的作品などと比較すると、少々地味な印象を受ける。 しかし、被害者同盟が結成されて、独自の行動を起こすのが面白く、企業小説的でもあり、結末も爽快で、大変面白い。 本作品では、一件の殺人事件も発生しない。 ただ、「人間狩り」と称される、嫌なゲームは、重大な心理的犯罪だ。 棟居刑事の思慮分別は、きわめて人間的である点が光る。 特に、最終場面での彼の行動は、心に染みる。 本作品は、派手さは無いが、著者らしい、深い考察に満ちている。 読み応え十分の、秀逸な作品だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年05月04日 02時21分13秒
コメント(0) | コメントを書く
[文芸評論] カテゴリの最新記事
|