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カテゴリ:文芸評論
壮絶な心理戦
あねのねちゃんは、主人公の分身であり、寂しい時や辛い時に現れて、励ましてくれる。 これだけだと、ほのぼのとした、ファンタジックな物語という事になるが、実は、そうではない。 本作品は心理学的知識を、大幅に駆使して書かれた、壮絶な物語だ。 そういう意味では、ある程度の心理学的知識が無ければ、少々難解でもあるが、本文の解説を読めば理解出来る。 もっとも、あくまでフィクションなので、学術的ではないが、心理学的な、興味深い現象が、随所に取り入れられている。 そして、終盤の展開の凄まじさには、手に汗握る。 しかも、通常のバトルではなく、心理戦が繰り広げられるのだ。 カバー表表紙の女の子は、主人公の幼少時で、裏表紙は、あねのねちゃんだ。 こんな雰囲気のカバー絵からは、この、壮絶な内容を、想像も出来ない。 心理学的現象が、ふんだんに取り入れられて、物語が組み立てられている点では、斬新な作品だ。 物語の幕引きも、印象に残り、非凡な作品として、大変面白い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年05月22日 02時05分41秒
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