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カテゴリ:文芸評論
恋まじない、熊本にて
アイスマンとは、主人公の女性に与えられた、ニックネームだ。 ファンタジックな話ではあるが、まじないにより、男女の恋を成就させたりする。 主人公は、三十歳を少し過ぎるが、病気の母の看病、友人との約束、そして、かなわぬ恋?と、悩みは尽きない。 しかし、この主人公って、人情味あふれる人だけど、少々押しが弱いのが、難点か? テンポ良く読み進む事の出来る文体、そして、恋愛感情も絡んだ、楽しい内容。 また、何より楽しみなのは、著者の作品の常である、意外な結末だ。 物語には、紆余曲折は多いが、終盤に至るまで、少々平凡な結末に収束するものと、思われた。 ところが、最終部分は、全く想像出来なかった内容となっている。 やはり、「意外な結末」という予想は、裏切られなかった。 本書には、友情や親子の情愛、恋愛などがぎっしりと詰まっている。 それらは、終始、熊本を舞台に描かれる。 焼肉屋で肉を注文する下りでは、カルビ、ロースなどに混じって、馬という文字も見える。 食べ物の話題も豊富で、そこにも、熊本を感じさせてくれる。 余韻は、けっして悪くは無いので、ご安心を。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年06月09日 02時02分13秒
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