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カテゴリ:文芸評論
バランス感覚
恋愛、と言っても不倫であるが、それらと、ビジネスとのバランス感覚が問われている。 この、なかなかリッチな主人公は、不倫に対しても、一定の価値観を構築している。 あまり共感は出来ないが、この価値観の中で、物語が進行するのが、面白い。 帯には、著者の作家デビュー10年目での、新境地と書かれている。 おそらく、これは綺麗事であって、作風を世間のニーズに応じて、変化させたのだと感じる。 もし、そうだとすると、その目論見は、かなりの部分で成功している、と思う。 楽しく、すらすらと読めたし、登場人物達の言葉には、印象的なものも多い。 ただ、希望を言えるとすれば、恋愛問題を重視するよりも、もう少し、企業小説的であって欲しかった。 その方が、サラリーマン受けが良いと思われるし、ネタの幅も広がると思う。 喪失感を伴う、終盤のゴタゴタも、なかなか秀逸。 この様な内容なら、次回作も、発刊されれば、買いたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年06月30日 00時28分48秒
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