|
カテゴリ:文芸評論
実質的な著者は、平山夢明氏から、久田樹生氏と松村進吉氏に交代。
本書では、平山氏は、監修を行っているに過ぎない。 内容は、何も、幽霊話ではない。 それでも、背後に、霊的な所業を、少し想像してしまう。 実話であろうとなかろうと、ひしひしとした現実感は、あまり強くない。 ただ、どの物語も悲劇的ではあるが、まとまりの良い、可もなく不可もない内容となっている。 平山氏の筆の様に、ねちっこい嫌らしさや、えげつなさは、ほとんど無い。 ただ、これまでの、平山氏の筆は、生理的な嫌悪感が強すぎた。 それは、もうやめて!と叫びたくなる様な、場面の数々だ。 本書は、マイルドだ。 あまり猟奇的ではないが、適度に常軌を逸している。 刺激の強過ぎる物語はちょっと、、、というホラーファンには、丁度良い内容だ。 一時のホラーブームで、猟奇的描写の、暴走があった様に思う。 本書には、節度を取り戻した、一定の怖さがある。 落ち着くべき所に、落ち着いた感のある一冊だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年07月08日 05時41分16秒
コメント(0) | コメントを書く
[文芸評論] カテゴリの最新記事
|