(この写真も朝日新聞からの引用です。)
札幌では、高校の先生で一般市民向けに原子力発電とはどのようなものか、分かりやすく講義をしてくれる人がいて、評判がよくてあちこちから引っ張りだこだそうで、11日の朝日新聞は次のように報道している;
原発や放射能の問題を分かりやすい言葉で説明し、理解を深めてもらおうと、札幌市の高校教諭が市民向けに開いている「原発出前授業」が好評だ。東日本大震災後に放課後や休日に無償で始めたところ、口コミで人気が拡大。すでに100回を超え、今では「数カ月待ち」の状態だ。
出前授業をしているのは、札幌琴似工業高校の社会科教諭川原茂雄さん(55)。
「放射性廃棄物を地下深く埋めたとしても、どうやって未来の人に危険を伝えるんでしょうか」「核のゴミは、おやじが死んだあとに知らない請求書がいっぱい出てくるようなもの」
たとえ話を盛り込み、身ぶり手ぶりで表情豊かに語りかける。3月末に札幌市の地下街で開いた教室では、100人を超す人だかりができた。
出前授業を始めたのは昨年5月。携帯電話の番号などを書き込んだチラシを配り、最初は5人の小さな集会からスタート。専門用語をかみくだいて説明するわかりやすさが人気を呼び、道内の大学や市民団体から招かれるようになった。
原点は約30年前の初任地、北海道下川町での経験だ。当時、町が放射性廃棄物処分場の候補地になり、地元で反対運動が起きた。川原さんも運動に参加し、放射能の問題を考えた。1986年にチェルノブイリ原発事故が起きると、現代社会の授業で何度も取り上げた。生徒から「チェルノブイリしげお」と呼ばれるほど熱心だった。
だが転勤を重ね、受け持つ教科も現代社会から倫理などに変わり、原発の問題から遠ざかっていった。
昨年3月、東京電力福島第一原発の水素爆発をテレビニュースで知った。「チェルノブイリと同じことになる」。強い自責の念に駆られた。
「危険性を知っていたのに、きちんと教え続けてこなかった」
再び高校の授業で原発について教え始めた。「生徒だけでなく、一般の人にも理解してほしい」と、出前授業を思いついた。
めざすところは、平易なニュース解説で知られるジャーナリスト池上彰さん。「原発に対する市民の関心は衰えていない」。震災2年目以降も続けていくつもりだ。(芳垣文子)
2012年5月11日 朝日新聞デジタル 「『原発分かりやすく』 札幌の教諭の出前授業が人気」から引用
こういう先生がもっと出てきて、日本中で原発に対する正しい認識が普及することを願ってやみません。