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2016年04月22日
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テーマ:ニュース(99587)
カテゴリ:社会問題
 昨日の欄に引用した中村一成氏のインタビュー記事の後半では、在特会ができた背景とヘイトスピーチ規制法の必要性について、次のように述べています;


 中村さんは日本人と朝鮮人との間に生まれた。「書くことでこの一部になる」という言葉は、その人となりと切り離せない。

 「母親が在日二世です。私はハーフというか、ダブルの三世にあたる。幼いころから、在日とか、ヤクザのような人たちと触れ合うことが多かった。その中で弱い立場への搾取の構造なども見えていた」

 新聞記者時代は日常業務をこなすかたわら、マイノリティーの現状などについて独自取材を続けた。差別される人たちへの支援活動にも取り組んだ。

 今にして思えば、新聞記者として過ごした1990~2000年代は、在特会に代表されるレイシスト(人種差別主義者)の揺藍(ようらん)・台頭期だった。

 91年8月、元慰安婦の金学順(キムハクスン)さんが初めて実名で証言した。日本政府は、93年の「河野洋平官房長官談話」、95年の「村山富市首相談話」で戦争責任を認めた。

 一方で保守派の巻き返しも活発化する。戦没者への追悼決議が全国の地方議会で相次ぎ、97年には「新しい歴史教科書をつくる会」が結成され、歴史修正主義に拍車がかかる。02年に北朝鮮が日本人拉致を認めると、政府レベルでも在日差別が公然化した。

 06年9月には第一次安倍政権が発足した。そして同年12月に在特会が設立され、京都事件へとつながっていく。中村さんは「保守派による揺り戻し、『北朝鮮』たたき、安倍政権発足の流れの中で誕生したのが在特会だ」とみる。

 メディアが京都事件を軽く見る中、在特会の蛮行はエスカレートする。京都事件の主犯が中心となって10年に起きたのが、徳島県教職員組合襲撃事件だ。朝鮮学校へのカンパを「募金詐欺」と曲解し、事務所に乱入した。13年には、在日コリアンタウンの東京・新大久保や大阪・鶴橋でヘイトデモが過激化した。

 中村さんがメディアと同様に問題視するのが警察だ。「ヘイトスピーチ問題は警察問題」と断じる。

 京都事件では、襲撃犯の器物損壊や威力業務妨害を傍観し、その後のヘイトデモを100人単位の機動隊員で護衛した。「デモをめぐる警察の対応は、警察法にある『公平中正』とは対極。徹底してカウンター(抗議)側を規制し、レイシストの暴力的な差別行為を完遂させている」

 レイシストが憎悪する「朝鮮人」「サヨク」は、警察も敵視する。もともと両者の思想的親和性は高いが、ここまで警察とレイシストが一体化するのは、行政組織の規範となるヘイトスピーチ規制法がないからだ。「警察の恣意(しい)性を狭める要素としても、法規制が必要だ」

 法規制をめぐる議論でついて回るのが「表現の自由」の問題である。だが、中村さんは「表現の自由とか内容規制とかを言う人は、それで何か言った気になっているだけだ。軽薄に聞こえる」と指弾する。

 「同じ社会の成員が、属性に対する罵詈(ばり)雑言を浴びずに済むという当たり前の安全安心を得られないことをどう考えるのか。人間性の否定を我慢するしかないのか。それなのに表現の自由と言われても、私には『国民様』の自由と権利としか映らない」

 とはいえ、市民運動弾圧などに乱用されないか。中村さんは「危険な言い方かもしれない」と断った上で「乱用されたらされたところから、新たな闘いを始めるしかないというのが本音だ。現状、あのデモを止めるには逮捕を覚悟するしかない。法規制は必要だ」。

 「表現の自由」の問題を声高に持ち出すのは自民党である。自民党こそが、朝鮮学校への補助金カットや高校無償化除外など「上からの朝鮮差別」を推し進めてきた。

 「駅前で人権擁護のティッシュを配るような、効力のない法律では意味がない。乱用よりも、ヘイトスピーチ抑止の実効性を本当に担保できる中身になるのかを心配するべきだ」


<デスクメモ>
 在特会の実態を暴いたのが、安田浩一さんの『ネットと愛国』とすれば、被害とその超克を余すところなく伝えたのが、中村一成さんの『ルポ 京都朝鮮学校襲撃事件』だ。ルポの前段である月刊誌の連載を読んだとき、憤りで手がわなわなと震えた。書き手としての非力さを思い知らされた瞬間でもあった。(圭)


2016年4月3日 東京新聞朝刊 11版 29ページ「警察の恣意性 狭めねば」から引用

 自民党という政党は、普段からテレビ局をどう喝したり、気に入らない記事を書く新聞を「潰せ」と言ってみたりで、「言論・表現の自由」の大切さなど歯牙にもかけない言動をしている政党であるが、こと「ヘイトスピーチ規制」に関してだけ、突如「言論の自由」を言い出すというのは、あまりにも露骨な「ご都合主義」につい笑い出したくなってしまう。また、この記事が指摘するもう一つの問題は警察の恣意的態度である。これは今に始まったものではなく、60年代の昔から、あるいはもっと前からか、学生運動のデモには暴力的な対応をする一方で右翼のデモには護衛の役目を果たしてきている。警察のこのような偏った姿勢を是正するためにも、ヘイトスピーチ規制法は必要である。








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最終更新日  2016年04月22日 19時27分15秒


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