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2020年06月30日
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カテゴリ:読書
都知事選に合わせて文藝春秋社から「女帝 小池百合子」を出版したノンフィクション作家の石井妙子氏は、26日の「しんぶん赤旗」で、執筆の意図を次のように説明している;


◆どういう人物か知るべきだ

 これまで、男性優位の日本社会で努力と研鑽(けんさん)を積んで一事を成した近現代の女性たちの評伝を書いてきたノンフィクション作家の石井妙子さん。今回、『女帝 小池百合子』を出版しました。なぜ小池百合子東京都知事を対象としたのか。本書で明らかにした、その半生と実像を聞きました。
(平川由美)


 2016年、女性初の東京都知事となった小池百合子氏について書いてほしいと、ある雑誌から依頼を受けたのがきっかけです。それまでは共感できる女性を書いてきました。小池氏については、がんを乗り越えた都知事選の対立候補を「病み上がりの人」と誹謗(ひぼう)したことなどに違和感があり、人として信頼できるのか疑問を持っていました。しかし都知事であり、女性初の総理にもなるかもしれないという。どういう人物かを国民は知るべきだと考え、本書を執筆しました。

 3年半かけて100人以上の関係者に取材し、小池氏の著作や発言録、新聞や雑誌の記事など大量の資料を読み、精査しました。氏にも3回、取材を申し込みましたが断られました。

◆権力を目指す半生から見えてくる社会の歪み

 裕福な家庭に生まれ育った芦屋(あしや)令嬢、外国語に堪能な才女といった生い立ちと経歴を売り物にしてきた小池氏ですが、この自分語りの矛盾は数え切れません。国立カイロ大学を日本人女性で初めて、しかも首席卒業、という学歴詐称疑惑は、過去を塗り変えてきた氏の半生を象徴する一例です。




◆やりなおして本当の人生に

 私のもとに、氏とカイロで2年間同居していた早川玲子さん(仮名)から「(小池氏は)カイロ大学では1976年の進級試験に合格できず、従って卒業はしていません」と記された手紙が届いたのは2018年2月でした。

 私は早川さんが住むカイロへ行き、面会を重ね、当時の手帳、日記、手紙など全て譲り受けました。小池氏より10歳ほど年上の早川さんは「生きているうちに、百合子さんが嘘(うそ)によって現在の地位を得たことを公にしなければ、自分も罪を抱えたまま死ぬことになる」と言い、「きちんと当時、注意しなかったことを後悔している」と自分を責めていました。そして「今からでも遅くない。人生をやり直してほしい。本当の人生にしてほしい」と。

 小池氏は「卒業証書も卒業証明書もある。カイロ大学も卒業を認めている」と繰り返しますが、証書の矛盾や疑問点も本書で触れています。エジプトには日本から、氏が国会議員だった2016年度までに無償資金協力1568億円を含む多額のODA(政府開発援助)が投入され、カイロ大学にも一部が渡っています。こういった事実と併せて、読者に判断を託したいと思います。

◆弱者や女性に冷酷な仕打ち

 小池氏には社会的弱者や女性への冷酷な言動も顕著です。阪神・淡路大震災後、地元芦屋の被災女性たちが氏を訪ねて窮状を訴える中、マニキュアを塗り続け一度も顔を上げず、「もうマニキュア、塗り終わったから帰ってくれます? 私、選挙区変わったし」と言ったこと。小池氏も参加した北朝鮮拉致被害者家族の会見が終わった後、バッグがないと慌てて会場に戻ってきた氏が「あったー、私のバッグ。拉致されたかと思った」と叫んだこと。

 小泉政権で環境大臣だった時は水俣病患者とアスベスト被害者の救済には無関心で、クールビズと風呂敷に入れ込んでいました。

 前回の都知事選で東京五輪や築地市場移転の利権と癒着の構造を追及し「ジャンヌ・ダルクになる」「崖から飛び降りる」と訴え支持を集めながら、就任後、築地の女将(おかみ)さんが「負けないで築地を守ってください。私たち小池さんをジャンヌ・ダルクだと思ってます」と声をかけると、「ジャンヌ・ダルクはね、火あぶりになるからイヤ」と突き放したといいます。

 「政治家としてやりたいことはなく、ただ政治家がやりたいんだと思う」「政治哲学も信条もなく、ただ注目を浴びたい。だから時の人気者や実力者にぱっぱっと乗り換える」といった証言は多くありました。過去には自民党批判をしながら、自民党入りする時には「自民党を外から壊すのではなく、内から壊すほうが早いと思った」と言う。上を目指しているだけで理由は後からつけられます。

◆メディアの罪 有権者の責任

 なぜ小池氏はここまで上りつめたのか。ミニスカート姿で自身を「政治改革のチアリーダー」と称したりする新奇さに飛びついて、氏が語るままを検証もせずに報道してきたメディアの罪は大きい。女性議員をお飾りや広告塔のように利用する政治のあり方も問題です。本質を見ないで上辺(うわべ)のファッションやパフォーマンスにつられて投票する有権者にも責任があるのではないでしょうか。

 小池氏の半生からは社会の歪(ゆが)みも見えてきます。権力を握れば人は寄ってくるし思い通りになる。人を信用できない荒野のような孤独の中で、ひとり生き抜いてきた女性の姿も浮かんできて哀(かな)しみを覚えます。

<いしい・たえこ> 1969年神奈川県生まれ。白百合女子大学卒、同大学院修士課程修了。著書『おそめ』『原節子の真実』(新潮ドキュメント賞)、『日本の天井 時代を変えた「第一号」の女たち』ほか


2020年6月26日 「しんぶん赤旗」 1ページ、9ページ「『女帝 小池百合子』出版、ノンフィクション作家 石井妙子さんに聞く」から引用

 都知事選の公示日を前にしてこの本が店頭に並べられれば、人々の耳目を奪いベストセラーになるのは必至ですが、しかし、こういう書籍に興味を示すのは初めから小池氏に批判的な人々に限定されるためか、普通の書籍よりは売れるとは言え、選挙の情勢を変えるほどの威力はない様子なのは残念なことです。石原慎太郎のときも不思議に思いましたが、都民は小池都政の何が気に入って再選を支持するのか、まったく理解できません。





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最終更新日  2020年06月30日 01時00分06秒


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