和田アキ子さんのすごさについてまた考えました
外出して夜に聞いてきた。先日も外出して和田アキ子さんの曲を聞きました。久々に聞きましたがやっぱり凄いです。私は特に和田アキ子さんに執着はしていない人間です。音楽についても再販されて一部で話題になった物のみちょこっと聞いたことがある程度です。それで和田アキ子さんはすごいと思う。和田さんの歌手としての凄さは他の歌手の曲をカバーした物を聞くと分かると思います。前も書いたと思うけど、一番分かりやすいのは忌野清志朗と山下達郎の曲のカバーかもしれない。二人とも個性が強いボーカリストですが、和田アキ子さんのカバーを聞くと元歌がどうであったか一瞬忘れてしまう。ミスチルの歌で元歌が分からなくなったという人もいます。「スローバラード」とか「ライドンタイム」とかを聞くのですが、腕力と個性で上書きしてしまう。朗々と、しかしわざと喉元で少しミュートを書けたような声で歌い出すと、元歌の記憶が消し飛びます。人に寄るのかも知れないけど、私は忘れてしまう。THE LEGEND OF SOUL 和田アキ子 [ 和田アキ子 ]和田アキ子さんの何がすごいかというと、和製R&Bの女王とか言われているのに、よく考えると歌唱スタイルを黒人に寄せていないのです。日本の歌謡曲に操を立てている感じがします。JBとトモダチだったり、カバーもしていたりするのに黒人女性ボーカリストとは一線を置いている。一杯音源だって周りにあるはず。歌謡曲には確固たるスタイルなんて無いはずです。それなのに絶対に好きであろう黒人音楽にも流されず自分のスタイルを守って来ている感じがあります。ちょっと聞いた時に連想するのは黒人音楽ですが、よくよく聞くと寄せて行っていない根っこの所で共通する物があるのだと思います。あとグルーブがだいぶ個性的です。音程とかリズムとか、簡単に数字に簡単に収斂してしまいそうな歌手もいます。電子音とか本人の声をサンプリングしたもので代替出来てしまう。しかし和田さんの場合解析不可能な人間らしい物が入っているような感じがします。実際勝俣州和さんがテレビで言っていたのを聞きました。もともとR&Bの歌手なのにあんまりリズムに乗ったりするのが上手い感じではない。R&Bの歌手なのにあるまじき……という所が功を奏しているのかも知れません。性格面の振れ幅とかも歌に出てるのかも知れません。紅白の出番前とかすごいという話しを聞きます。ステージに出るまでの不安感が凄いという話しだった。誰かに手を握ってもらわないとだめで本番までずっとうろたえているらしい。他もいいエピソード一杯です。和田さんは芸能界の先輩から叱られて育ってきたということです。他人を叱るのは疲れますが、自分も年をとったので敢えて悪役になり叱ろうとするらしいのです。でも和田さんの先輩の怒り方は相当強烈だったはず。マイルドにとは思っているのでしょうが、みんな悩む問題で難しいらしい。今の後輩の叱り方には高等技術が必要ですが、当然和田さんにはあまりない……と思います。プロ野球界の先輩やコーチが後輩を叱るとき、叱り方を間違えるとしゅんとしたまま戻って来ないという話しを聞いたことがあります。前の世代ではあり得なかった反応をするらしい。和田アキ子さんは案の定怒り方を失敗してしまい、家で反省して泣いたりするらしい。歌のバックステージでの挙動には沢山の証言者がいます……という事から考えて、家でマジ泣きしているのではないかと思うのです。そういえば和田さんはレコーディング中は完全シャットアウトだそうです。確かNHKの番組だったと思うけど、テレビでやっていました。歌っている姿を絶対に誰にも見られたくないので、人払いとかブースの中に入るとか繊細なところは本当だと思います。もしかして可愛いという言葉は使ってはいけないことになっているのかなあ。和田アキ子 ベスト・ヒット・コレクション [ 和田アキ子 ]今日見たら和田さんの歌がバズっていたらしい。若い人がもっと聞くようになると良いのですが……今見てきたら800万再生になっていた!さすが。若いミュージシャンにめっちゃ好かれているので今後もあるかもしれませんね。非常に収まりの良い可愛い曲でしたが、上手くはまっている。もう70代と年齢を重ねて来たという事で老いを歌って欲しいかなと思っています。たしかシャンソンにとかにあると思いますが、もの凄いのが歌えると思うんですよ。めちゃめちゃ悲しいのが歌える。途中で聞くのがつらくなるような、今後のスタンダードになるような、一世一代の凄い局を何曲も笑歌って欲しいのですが。あの声質で歌った人ってそういないと思うんですよ。何十年も一貫してレビでもラジオでも番組を持ってきた人間が歌った事ってないと思うのでやって欲しいと思います。にほんブログ村