大 晦 日 の マ ス タ ー と い う 男
大晦日の喫茶店は忙しくて新聞などは読めない
マスターの人柄を慕って今年最後のコーヒーを
飲みにやってくる人達で小さな喫茶店は一杯になる
ああ忙しいああ忙しいとマスターは店内を動き回る
でも普段はひっそりしてお客も少ない店なのである
だから店員さんを雇っていては採算に合わない
マスターは店員も兼ねて一人で頑張っている
大晦日が一年で一番お客が多い日となる
お客はたまにしか来ない常連さんが多い
ほとんどが今年も元気だったよーと
男も女も挨拶がわりに来ているのだ
今年もこの喫茶店に来てコーヒーをすすり
世間話をして楽しんだお客ばかりだ
マスターはみんなにいった
大晦日でも夜9時まで店を開けて
おかないと年は越せませんわ!!
すぐにお客がその言葉に噛みついた
年なんて自然に誰でも越せるわマスター
ほっといても年は越せるでよう
そんな冗談話を言ったもんだから
みんなくすくす笑ったのである
大晦日の喫茶店はみんな明るく
コーヒを飲まないと年を越せない
愉快なお客さんばかりである
年越し蕎麦ではなく年越しコーヒー
を飲みに来たお客ばかりなのである
そんな大晦日の喫茶店のマスター
年を越せるのはこのお客さんが
いるからなのであった
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最終更新日
2023年04月13日 10時13分03秒
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