す ぐ 死 ぬ ん だ か ら
第 1 章
年を取れば、誰だって退化する。
鈍くなる。
緩くなる。
くどくなる。
愚痴になる。
淋しがる。
同情を引きたがる。
ケチになる。
どうせ「 すぐ死ぬんだから 」となる。
そのくせ「 好奇心が強くて生涯現役だ 」と言いたがる。
身なりにかまわなくなる。
なのに「 若い 」と言われたがる。
孫自慢に、病気自慢に、元気自慢。
これが世の爺サン、婆サンの現実だ。
この現実を少しでも遠ざける気合と努力が、いい年の
取り方につながる。 間違いない。
そう思っている私は、今年78歳になった。
60代に入ったら、男も女も絶対に実年齢に見られてはならない。
著者: 内館 牧子(うちだてまきこ)
1948年 秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業後、
13年半の O L生活を経て、1988年脚本家としてデビュー。
2018年8月21日 第1刷発行
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最終更新日
2020年02月06日 10時56分58秒
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