最 果 て の 街
数々の文学賞を受賞した著者が
描く、魂がゆさぶられる社会派
ミステリ長編小説。
東京を代表する巨大なドヤ街がある通称
「山谷」地区。その地域にある山谷労働
出張所は、日雇い労働の斡旋が専門の
職業安定所である。
山谷地区は労働者の高齢化や、不景気に
よる仕事の減少など、様々な問題が多発
していた。
そんな中でも所長の深恒宣泰は、心を
寄り添わせながら労働者と接していた。
ある日、山谷掘公園でホームレス殺害事件
が起った。
被害者は山谷地区にいた労働者だという・・・
深恒がなんとか被害者の親族を探そうと
動き出し、被害者の意外な過去が明らかにー。
最 果 て の 街
そこは行くべき場所を失った
寝無し草が、最後に流れ着く場所。
秋はこの街にとって、恵みの季節でも
何でもない。
間もなく厳しい冬がやって来る。
道端で凍死することなく、無事に次の春を
迎えることができるだろうか。
”住民”がつい、不安に戦(おのの)く
季節なのだ。
だから風に寒さが混じり始めると、男たち
の顔は強張る。目に、刹那的な光が宿る。
著者:西村 健( にしむら けん )
1965年、福岡県生まれ。東京大学工学部卒。
労働省(現厚生労働省)勤務後、フリーライター
に転身。1996年、「ビンゴ」で小説家デビュー。
2005年「劫火」、2010年に「残火」で
それぞれ日本冒険小説協会大賞を受賞。
2011年「地の底のヤマ」で日本冒険小説協会大賞
を受賞し、翌年同作品で吉川英治文学新人賞を受賞。
2014年「ヤマの疾風」で大藪春彦賞を受賞。
発行:2017年6月8日 第1刷発行
発行所: ㈱ 角川春樹事務所
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最終更新日
2021年10月29日 13時17分27秒
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