「霊魂論」エチカ詳解183(生と死12)
「霊魂論」エチカ詳解183(生と死12) プラトンの霊魂在りの有現説と大乗の無現説を紐解けば逆思惟の論法に思うのですが、プラトンは『「一方の生成が、ちょうど円環をなして巡るように、他方の生成を常に補うのではなく、かえって、生成が一方からその正反対のものへのみ向かう何かが直線的なものであって、再び元に戻ることもなければ向きを変えることもないとすれば、万物は最後には同じ形をもち、同じ状態になって、生成することをやめてしまうだろう。--当に大乗云うところの空です--。生在るものがすべて死んでゆき、ひとたび死んだならば、死者はその状態にとどまって再び返らないとするならば、最後には万物は死んで、生きているものはなにもないということになる筈だ。」--此の結論は大乗説くところの縁起論の最終章を想わせます。実在有から始まったプラトンの二元論から始まる円環論と大乗哲学の祖「龍樹」の空論の帰結が同じうすることには驚かされ、世界の真相を究明する方法は哲学・科学・真の宗教を問わず向かうところは同じだと言わざるを得ません。哲学・思想ランキング