「霊魂論」神秘学81
此の項では更に、ヨーガを哲学的修行法と看るか、将又、宗教と見做すかによって結果は大きく異なってきます。ヨーガ・スートラなども瑜伽経(ゆがきょう)とも呼称されてはいますが、信教を求めている訳ではありません。あくまでも、紀元後4-5世紀頃にパタンジャリ(Patanali)によってといわれるインド哲学の彼が説いた短い言葉を連ねたものであって信仰を求めてはおらず寧ろ「法」を求めています。「ヨーガとは心の働きを抑制することである」の定義から始まり、三昧に至るまでの具体的方法としての八階梯と、其の意味するところの背景にある思想が述べられ、ヨーガの八支則(アシュタンガ・ヨーガ)と呼称されます。此の教典はパタンジャリという聖人によって紀元前から綿々と受け継がれたヨーガを、紀元後4~6世紀頃に記述され完成されたといわれている教典なのです。八段階の積み重ねによって構成されているので「アシュタンガ」語彙することである」の定義から始まり、三昧に至るまでの具体的方法としての八階梯と、其は八つの部分・八支則のヨーガと呼称され、総合的なヨーガによって目的に到達するための修養法の詳細が説かれています。其の目的、言い換えれば解脱に到達するためにする手段は、日々の生活においては行動の規範である禁戒や勧戒を山の裾野にて、基本から段階的に体を整え且つ又呼吸を整えながら、順次に山の高みに上っていく道のさまで例えています。此の実践の過程において、漸く人間が本来備えている肉体と精神とそして霊性の資質や能力が高められ、実りあるあるものとなり、心身の健康度が飛躍的に高まり、其の人自身の自己実現に多大な実りを齎し「解脱」の機会が得られると説き明かします。
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