「霊魂論」神秘学107
「プラーナマヤ・コーシャ(生気鞘)」はハタ・ヨーガの経典に出てくる「主要な五気気」ですが、此れに対応するのは中国の五気では、人が生きていることを「時間的・全体的」に捉え、自己が職上、人々の生命の営みを緻密に診ていた知見を活かし示したが陰陽五行説に則(のっと)り記述されているのが医学書「黄帝内経(こうていだいけい/Huang-ti-nei-ching」です。人と自然の関係、臓器同士の結びつき、心と身体との関連といったことの陰陽五行説に当て嵌めて記述されています。所謂、木・火・土・金・水の陽中の振り分けです。此れ等それぞれにハタ・ヨーガの主要な5種の「気」を対応させれば左程には辻褄がかけ離れることはないといえます。対照して保々対応する部位といえば、心臓のプラーナ気が「暑」にあたり、会陰のアパーナ気が「寒」で、ヴィアーナ気が「湿」、上昇のシンボルであるウダーナ気は、陽属性だろうから「風」、サマーナ気は、「燥」というとこでしょうか。但し,ハタ・ヨーガの五気が肉体機能で説明しているのに対して、「黄帝内経}の五気は生長化における時間的な推移を基底に組み込んでいるので、ハタ・ヨーガの「五気」と中国の「五気」は厳密に対称的に其々を対応させれば矛盾が生じます。プラーナマヤ・コーシャ(生気鞘)は、新鮮なプラーナを取り入れ、「気」流れを整えることで、オージャス(生命力)が高めます。この層は、アンナマヤ・コーシャ(食物鞘)とマノマヤ・コーシャ(意思鞘)の間にあり、それぞれの影響を受けたり且つ与えたりする層で、心と肉体の架け橋の役割を担います。
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