「霊魂論」エチカ詳解60
コナトゥス(Conatus)は、音韻をより正確に音写すればコーナートゥスとなります。当初生まれた原義の語彙は努力・衝動・傾向・性向・約束・懸命等の努力を意味するものであり、古史西洋の哲学の心の哲学や形而上学で使われた術語で、事物が生来持って存在し、自らを高めんとする傾向、近代では、心的実体や物理的実体、或いは両者の混合を指し示しますが、数千年に亘ったって幾説もの異なる定義や論理が変遷し編集され定式化されたものです。17世紀の哲学者のルネ・デルト、バールーフ・デ・スピノザ、ゴットフリート・ライプニッツ、トマス・ホッブズや彼と同時代の経験論者たちが言う語彙を持つ言葉です。「コナトゥス」は生物の本能的な「生きる意志」を指し示したり、運動と慣性に関する様々な形而上学的理論を指したり、また屡々、此の概念は汎神論者の自然観では神の意志と結びつけて考えられること多々あります。此の概念の定義が精神と肉体に分割されたり、遠心力と慣性について分割されたりする議論する際に論上で使われることからの由縁でしょう。此の「コナトゥス」という術語の語彙は2500年間以上もの歴史を通じて発展発達させてきた意味と分類におけ範疇を拡げた概念の積み重ねです。範囲の意味と分類におけるわずかな一つまみの連なりのようなものであるにしても。古代思想史を見ても過去から近代・現代と此の術語を採用してきた哲学者たちは其れ其れが自らの独自の解釈をこの概念に上乗せ、それぞれが思想を伴ってこの術語「コナトゥス」を発展・展開させたので、現在では明確で普遍的に受け入れられた定義を持たない術語と成り至っています。
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