「霊魂論」エチカ詳解114
スピノザの神概念とヘーゲルの神概念を考察するうえでヨーロッパ古代末期を代表するギリシアの哲学者、神秘思想家であるアレクサンドリアのネオプラトニズムのプロティノス(Plotinos)/205-269or270)の思想が、二人の「神概念」を語るのに大いに参考になります。ヨーロッパ古代末期を代表する哲学者にして神秘思想家であるプロティノス、誕生はアレクサンドリアの近く、思想はアンモニオス・サッカスに学び、東方に知恵を求めて、39歳の折、当時ペルシャで行なわれている哲学とインドの盛んな哲学にも関心を持ち、これら東方の叡智を吸収する事を願い、241年のゴルディアヌス三世(Gordianus Ⅲ/225年1月20日-244年2月11日)のペルシャ遠征の時に、その軍隊に身を投じ、共に同行するも。遠征の挫折により果たせず、40歳でローマに上り、学校を開き、多くの友人と門弟を集め、共感と敬礼を受けた人物です。プラトンに傾倒し、自分の哲学をプラトン哲学を基底とし其れを展開発展さして見せます。以上のことから彼とその弟子たちは、当時の人からはプラトン主義者、後世の思想家からは新プラトン主義者と呼称されます。そこにはアカデミアの流れをくむアリストテレス、ストア派などの影響も大きく、古代ギリシア哲学の西欧の一大総合思想体系として影響力を持ちます。また、時代当時の一元論的、宗教的な傾向に応じ、魂の解脱を目ざす救済の哲学でもあることは特筆に値いします。著作は9篇に分けられた6巻の論稿からなるところから「エンネアデス(九篇集)」」と呼称されます。私見ですが、不思議なこと且つ不可解なのですが思想家に限らず「偉人」と呼ばれる史上の人物は何故か自ら記すること相叶わぬようで「エンネアデス(九篇集9)」も弟子の記述です。
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