カテゴリ:時間考察
時間の陥穽149
アリストテレスの自然概念は一言で云えば「静止し常住するものの世界」とした世界内の「神」乃至「常有」を否定するものです。世界内存在の自然には「常住」は無く、不動の「常恒性」も無く、「自然」は敢くまで動や変化のほうに内在的な始原・原因を持ち、そこから自然の摂理・原理、運動・位置即ち場所である空間、更には「時間」を取り上げます。アリストテレスの自然観は必然的に「自然」についての探求が「動」と「変化」は免れ得ないものなので、彼の自然哲学探求は「動」を中心として展開されることになります。然らば「動」をアリストテレスは自然学はどの様に定義しているのか。人間を含めて因果的必然の世界。自然の中に現存する人間が、自然界という相手を認識する営みであるとし、「動」は「可能態にあるものが、そのようなものとして、完全現実態にあること」と定義します。此処に云う「完全現実態」とは、全てが全うされた「完全体」なるものではなく敢くまで新たな可能態であることには注意が肝要です。 ![]() ![]() 哲学・思想ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年05月11日 06時10分57秒
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