合唱王国の代償 その2
前のエントリの続きになりますが、全国合唱コンクールでは、郡山高校と同じ郡山市に所在する安積黎明高校も、大分県知事賞(文部科学大臣賞に次ぐ2位相当)を獲得していました。安積黎明は国公立大の合格者が郡山の倍以上あり、市内でも安積に次ぐ二番手校の地位を確立していますが、他都市の二番手校と比較すると、やはり進学実績がショボかったりします。先日こちらのエントリで東北地方の進学校の過去2年間の卓越研究型国立大学※の現浪合算合格者数を調べてみたのですが、仙台を除く各都市の二番手校の実績を抽出すると、盛岡三(岩手・定員280人) 2021年24人 2020年23人山形南(山形・定員240人) 2021年28人 2020年19人秋田南(秋田・定員240人) 2021年19人 2020年13人といった具合。ところが、安積黎明について調べてみると、安積黎明(福島・定員280人) 2021年12人 2020年5人と、上記3校とは差をつけられている現実があるのです。ついでに、福島市の二番手校である橘も安積黎明と似たような感じで、橘(福島・定員280人) 2021年8人 2020年8人といった具合。これ、都市圏人口の規模から考えると、どう見てもおかしいんですよね。ここまで挙げた2校の実績を、2015年国勢調査時点における都市圏人口の順番に並べてみると、安積黎明(郡山都市圏・544,662人) 2021年12人 2020年5人山形南(山形都市圏・534,571人) 2021年28人 2020年19人盛岡三(盛岡都市圏・470,414人) 2021年24人 2020年23人橘(福島都市圏・451,044人) 2021年8人 2020年8人秋田南(秋田都市圏・397,801人) 2021年19人 2020年13人安積黎明の実績が、どうしても見劣りしてしまうのです。ちなみに、国公立大の合格者数でも、ほぼ同様の結果が出ます。安積黎明(郡山都市圏・544,662人) 2021年168人 2020年159人山形南(山形都市圏・534,571人) 2021年183人 2020年172人盛岡三(盛岡都市圏・470,414人) 2021年216人 2020年238人橘(福島都市圏・451,044人) 2021年154人 2020年154人秋田南(秋田都市圏・397,801人) 2021年178人 2020年157人合唱で我が国有数の実績を残すことは、それはそれですばらしいことだと思います。でも、高校生の本分はやはり「文」。安積黎明も郡山と同様に、ポテンシャルに見合った進路実績を出しているとは言い難いですね。率直に言って。本当は、地元マスコミが、こういう検証記事を書いてくれるといいんですけどね。のべつ幕なしに地元礼賛ばかりしていないで、課題に鋭く切り込んでより良い地域づくりを目指す姿勢を、見せて欲しいものです。※北海道、東北、筑波、千葉、東京、東京工業、東京農工、一橋、金沢、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、九州の16大学。ただし、高校によってはこれらの大学への合格者すべてをサイトに掲載していないケースもあり、その場合は掲載している人数のみをカウントした。【中古】表参道高校合唱部 Blu-ray BOX